田舎の方から、「集客できない」「集客が大変」という話を聞くことがあります。
確かに少子高齢化や人口減少の影響もあり、シャッター街などのように集客が厳しくなって廃業するというニュースも見ます。
ですが、私がこれまでにお手伝いした方の例を見ると、田舎でも集客は不可能ではない、むしろ楽なのではないかと感じています。
ここでは、以下のように思っている人に田舎の集客を解説します。
- 田舎って人口も少ないし集客できないんじゃ…
- 田舎の業者はどうやって集客すればいいの?
- 田舎ってどんな人をターゲットにすればいいの?
田舎で集客が難しくない理由
田舎でも集客できるというのは、私がこれまでに多くのお客様の集客をお手伝いしたからわかったことです。
実際にどれくらい集客できているかというと、徳島のクリニックのWEBサイトで集客したお客様は2019年は以下のようなアクセスを得ています。
こういった経験からわかった、田舎の集客がそんなに難しくないと考える理由は以下です。
競合が弱い
田舎では競合の数が少ないですし、田舎の競合は集客に弱いことが多いです。
田舎では商品力が弱いのに開業している業者が多いですし、差別化できていない業者も多いです。
そして、集客施策をしっかりと行っている競合は少ないですので、競合のマーケットを奪うことができるのです。
選択肢が少ない
田舎では、同じ業界の競合の数が少ないので、お客さんは限られた業者から選ぶしかありません。
だからこそ、自分の会社が選ばれるチャンスは都会よりもあるのです。ちゃんと広告宣伝を行えば、お客さんに知ってもらうことができます。
知ってもらえれば、あとは競合よりも自社に魅力があることを伝えれば集客することができます。
さらに、選択肢が少ないということは、価格競争にさらされにくいというメリットもあります。
商圏が広い
都会の方が広いエリアから集客できるんじゃないの?と思う人がいるかもしれませんね。しかし、田舎の場合、都会よりも広い商圏で集客ができます。田舎の方が都会よりも広い商圏から集客できます。
例えば、歯医者さんで矯正をしようと考えた時、ネットでは「〇〇+矯正」と「〇〇」に地名を入れて検索しますよね。この「地名」の部分が田舎だと広くなるのです。
田舎であれば、「市名+矯正」「県名+矯正」という検索に対して、検索結果で自分のサイトを上位に表示できますが、都会の場合には難しく、せいぜい「駅名+矯正」「区名+矯正」で表示するくらいです。
田舎は都会よりも人口が少ないですが、その分広い範囲から集客することでカバーできるのです。
田舎の集客に活かせるヒント
田舎には、田舎独自の特徴・傾向があります。その特徴を上手く利用すれば、集客を成功させることができます。
車の利用が多い
下記は、日本全国の電車の年間利用回数とマイカー通勤・通学率のデータのグラフです。
参考:ビッグデータレポート – ヤフー株式会社
都会以外の地方都市や田舎では、通勤や通学に車が圧倒的に利用されています。
車社会である地方のこのような特徴は、集客においても大きなヒントをくれます。車社会である田舎だからこそ、集客に対して以下のようなことが見えてきます。
- 駐車場が必須
- 車がよく通る場所に広告を出すべき
- アクセス情報を掲載すべき
- 主要駅の近くになくても集客ができる
- 運動不足が増えている
- 病気になった時など外に出れないことがある
- 免許返納をした高齢者は不便
集客施策を行う時には、この特徴を踏まえれば、より効果的な方法を考えることができます。
例えば、看板を出すなら幹線道路沿いに立てるべきですし、WEBサイトにはアクセス情報を記載し、駐車場の有無は書くべき、などです。
少子高齢化
田舎では少子高齢化によって、子供の割合が減り、高齢者の割合が増えています。
以下のデータは平成22年のものですが、この時点でも高齢者の割合は増えていますが、首都圏も大きく増えています。
ビジネスを行う場合には、ターゲットの人口の方が大事なので、確実に増えている中年~高齢者をターゲットにするのは、ひとつの手だと思われます。だからこそ、高齢者に配慮した商品や広告が重要です。
人件費や単価が安い
田舎は東京よりも人件費が安い傾向にあります。ですので、コストを抑えながら人を雇うことができます。営業スタッフや広告作成のスタッフをコストを抑えながら雇うことができるのです。
記事を書くスタッフを雇うことができますし、WEB事業部を作ったり、デザイナーを雇うことで、WEBサイトやチラシを外注せずにスタッフに作ってもらうこともできます。
また、全体的に広告の単価が安いので、広告媒体に出稿する価格も抑えられます。
田舎の集客方法:アナログ編
田舎の特徴を活かして、お店が集客するための方法をまとめて解説します。
集客方法には、リアル環境で利用する「アナログの集客方法」とデジタル媒体による「デジタルの集客方法」があります。まずはアナログの集客方法を説明します。
看板
車社会である田舎では、幹線道路沿いの看板によって一定の効果を見込めます。
土地に看板を建てるためのコストも安いので、店舗などは試す価値はあります。
ただし、看板を出す時には、道路からしっかりと見えるような大きなものにしなくてはなりません。
チラシ
高齢者は、特に新聞の折り込みチラシを見ます。私の祖母などは、今でも新聞の折り込みチラシを毎日チェックしています。
都会なら少し移動すれば様々な店舗がありますが、お店の少ない田舎だからこそ地域の店舗の情報をチェックするのです。
ある程度年齢層の高いターゲットに向けての商材であれば、ポスティングや折り込みチラシなどは効果を発揮すると思われます。
新聞広告
折り込みチラシと近いものがありますが、新聞の紙面に掲載する新聞広告も効果が見込める可能性があります。
購買までのハードルが低い、低単価で検討期間が短い商品だけでなく、高単価でも一般家庭で利用されるものであれば、売れる可能性があります。
ただし、全国紙と違って地方紙は購読者が少ないので、費用対効果が合う場合のみ出稿する価値があるかもしれません。
田舎の情報誌
田舎では、それぞれの県の情報を掲載している情報誌があります。
田舎の情報誌は、多くの県民が読んでいるので、集客が効果があると考えられます。特に飲食店などは、一定の集客が見込めるのでおすすめです。
発行部数や掲載料を確認して、問題なければ出稿してもよいでしょう。また、このような雑誌側から取材依頼がある場合もあります。
地域のつながり
田舎では、特に地域のつながりが特に強いです。お客さん同士が知り合いということも多いですし、地域での評判はあっという間に広がります。
だからこそ、田舎では地域に溶け込まなくてはなりません。積極的に地域の催し物やイベントなどに参加して、地域の人と触れ合いましょう。
消防団や青年団、老人会、お祭りなどなど、様々な催しものがありますので、そういったものに参加してコミュニケーションを取るのがよいでしょう。
また、お店の近くの店とつながりを作ることで、お互いにお客を紹介しあうということもできます。
DM
すでにお客様のリストがある場合には、ハガキや手紙などのDMを送るという方法があります。田舎では、都会よりもDMが読まれる可能性は高いです。
お客様はたいていお店のことなんて忘れています。忘れられている状態のお客様には、お店の存在を思い出してもらわなければ、来店することなんてないです。
初めての来店したお客様には、お礼のDMを送ってみるのもよいです。一定の期間来店がないお客様には、新しいキャンペーン情報などをお知らせしたり、新メニューや新しい取り組みなどを知らせるようにしましょう。
また、誕生月にはクーポンやプレゼントを贈ることで、お得感を与えるとともに来店を促しましましょう。
手書きでメッセージを書くことで温かみを与えられますし、再度の訪問をしてもらえる可能性が高くなります。DMの書き方や注意点は以下で詳しく書いています。
イベント
イベントを行うことで集客できる可能性があります。
田舎では街おこしのイベントや地域のお祭りやイベントなどが行われることがありますよね。
田舎ではあまり娯楽がないこともあり、イベントがあると一定の人が集まります。
そういったイベントにお店を出すことで、認知度を高めることができるのです。
イベントに出店するのはあまりコストがかからないことが多いので、ぜひ出店してみましょう。
田舎の集客方法:デジタル編
人口が少なく、町中に人が少ない田舎の業者こそ、デジタル媒体を利用すべきです。
通りかかりの客だけを集客するというのは難しく、ネットなどで購入意欲の高い見込み客を集客していかなければ、商売が成り立たなくなってきているからです。
田舎ではデジタル媒体を利用している競合はまだまだ少ないために、競合よりも一歩先んじることもできます。
ネットショップを作って、商品を全国に販売することもできます。
WEBサイト
デジタル媒体を用いて集客をする場合には、まず公式サイトを作るのをおすすめします。
あらゆるデジタルでの集客において、公式サイトは核になるものです。田舎では競合と差別化するためにも、必ず制作するようにしましょう。
公式サイトを作るメリットはたくさんありすぎるので、以下にまとめています。読んでみてください。
公式サイトを作る時には、「エリアワード+目的語」のように集客する検索キーワードに対して、SEO対策を行いましょう。田舎ではこのエリアワードでの集客がカギになってきます。
オウンドメディア
公式サイトには、ブログのようなオウンドメディアを設置することをおすすめします。
記事を作成していくことで、様々なキーワードで検索ユーザーを集めることができるだけでなく、サイト全体を強くすることができます。
ただ、スタッフの紹介や休業日のお知らせ、何を食べたかなどを書くのではなく、ユーザーが知りたいことを書くのが重要です。
オウンドメディアの考え方や作り方は以下の記事で解説しています。
MEO
飲食店や美容室など、商圏が狭いビジネスの場合には、Googleマイビジネスを使ってMEO(地図エンジン最適化)を行いましょう。
この施策はとても簡単にできますので、地図で検索されるようなお店はすぐにでもやった方がいいです。田舎であれば、対策をしている競合も少ないので、成果が出やすいといえるでしょう。
MEOは簡単にできますので、自分で設定してしまいましょう。MEOの方法は、以下の記事で解説していますので、ぜひやってみてください。
SNS
FacebookやTwitter、Instagramなど、ソーシャルメディアを利用して集客する方法です。SNSのフォロワーがたくさんいるアカウントがあれば、集客をすることができます。
例えば、SNSでフォロワーが1万人いた場合に、新商品やキャンペーンの情報を流して0.5%が購入したと考えると、50人が買ってくれることになります。
お客様とのつながりを作って、ファンにするのは商売の基本です。SNSはそのつながりを作るのに便利なので、ぜひ活用しましょう。
ただし、よく田舎の方はSNSで簡単に集客ができると考えていますが、そんなに甘くはありません。SNSで集客するためには、たくさんのフォロワーが必要です。
SNSで集客ができるまでになるのには、フォロワーを作る時間と労力がかなりかかると思っておいた方がいいです。
もし行う場合には、サービスのターゲットの年齢に合わせてSNSを選ぶのがよいでしょう。
リスティング広告
検索キーワードに連動して、検索結果の上部に表示される広告のことです。自分のビジネスに関係するキーワードで検索している人に対して広告を出して集客します。
リスティング広告は、短期間で出稿できる広告手法であり、ホームページのように制作費はかかりません。
リスティング広告では、クリックに応じて課金されます。費用の上限を決めて広告を出せるので、低予算で広告を出したい人にもおすすめです。
リスティング広告はオークション制なのですが、田舎ではこの広告を出している競合もまだまだ少ないので単価も低いですし、ユーザーのリテラシーが低くクリックもされやすいのでおすすめです。
メディアサイト
大体どの県にも、その田舎の情報をまとめているメディアサイトというものがあります。このような記事を書いてもらうというのも、集客効果があります。
私の出身の田舎である徳島だと、以下のようなメディアサイトがあります。なかなかに濃いメディアですね。
http://ilovetokushima.com/
こういったメディアには、定期的にそのメディアで県内の情報をチェックしている人たちがいます。
年代は若めにはなりますが、メディアサイトに掲載することで、そういったファンを集客することができるのです。
記事広告を依頼するのもいいですし、メディアの方から取材依頼が来ることもあります。
テレビCM
地方のテレビ局でCMを流す広告手法です。テレビは多くの人に一気に認知させることができる媒体です。
例えば、県全体の人口が100万人だったとして、視聴率が1%でも1万人に情報を届けることができるのです。
ただ、このテレビCMはコストがかかってしまいます。田舎の局だと全国ネットよりも安いですが、それでもうん十万以上かかります。
テレビを見ている高めの年齢層にアピールする場合には効果的ですし、商圏が広かったり、ユーザー数を一気に増やしたいという場合にテレビCMを打つのはよいでしょう。
スマホ決済対応
現在、国はスマホ決済の導入を促進しようと、還元事業をおこなっています。
それによって、田舎の店舗においても加盟店が大きく増えています。田舎のお客様にも、だんだんとスマホ決済が浸透してきています。
スマホ決済を利用することで、ポイントの還元もあり、ユーザーは積極的に利用しています。スマホ決済がない店にはいかなくなる可能性もあります。
田舎のお店もスマホ決済に対応することで、集客を増やせる可能性があります。
スマホ決済については以下で詳しく解説していますので、参考にしてください。
田舎の集客で最も初めにすべきこと
私の経験上、田舎の集客方法のなかで最も最初にすべきことは、「公式サイトの制作」だと思っています。
田舎でもスマホが普及しており、多くの人が検索をする時代においては、公式サイトがとても重要になります。
公式サイトはすべての広告戦略の要となるのです。広告を見た人は公式サイトを調べます。その時に公式サイトがなかったり、内容が薄かったりすると、せっかくの広告の効果を半減してしまうからです。
また、公式サイトというのは、それ単体で集客できるポテンシャルを持っています。
私が以前に制作したこちらのサイトは、「徳島 頭痛外来」などの検索で1位を獲得しており、宣伝を一切していないにも関わらず、公式サイト一本で大きな集客効果があります。
このように、田舎の集客においてSEO対策ができた公式サイトは、大きな成果を生むので、まず最初に整備しましょう。
まとめ
集客する時に考えるべき田舎の特徴、田舎の企業やお店の集客方法をまとめてみました。
田舎は人口減少などもあって、商売が難しくなっているのは確かです。しかし、周辺の競合よりも多くの人に来てもらったり、県全体をターゲットにできれば、いくらでもチャンスはあります。そのためにも、しっかりと広告・宣伝を行ったり、WEBでの露出を増やすようにしましょう。
また、強みがあるサービスや会社に人は集まります。競合と差別化してうまく宣伝を行うことで、集客ができるのです。自社の強みを作って今回の集客方法を利用してみてください。
WEB集客の全体像については、以下の記事でマルっと解説していますので、よければ読んでみてください。
ちなみに私も田舎出身であり、集客のお手伝いをしたことがあり成果を出せたので、ご相談に乗ることができます。よろしければご相談ください。