私はWEB制作やSEOコンサルの仕事をしていますが、予算のないお客様のWEBサイトはWordpressのテーマを利用することを勧めます。
お客様のサイトをたくさん作るなかで、今までには10個以上のWordpressテーマをカスタマイズしてきました。
その経験から、SEO対策がしやすいテーマ、SEO対策のためのカスタマイズがしやすいテーマというのを調べました。
ここでは、私が色々試したからこそわかった、実践的なSEO対策ができるWordpressテーマをお教えします。
SEOに強いWordpressテーマってあるの?
よく、「SEOに強いWordpressテーマ」と言われますが、本当なのでしょうか?
これは事実でもありますし、間違ってもいます。その理由を説明していきますね。
SEOに強いWordpressテーマは確かにある
まず、SEOに影響を及ぼすものとしては、サイト内部のタグや構成の対策の「内部SEO」、外部からのリンクや参照対策の「外部SEO」、コンテンツの質の「コンテンツSEO」があります。
「コンテンツ」は自分が書く内容によって変わるので、「SEOに強いWordpressテーマ」とは、内部SEOが最適化されていて、外部SEOを促進する作りのテーマのことをいいます。
内部SEOとは、Googleの推奨するルール通りの作りになっているWordpressテーマのことです。そして、外部SEOとは被リンクをもらいやすい仕組みになっているテーマのこと。
これらを満たす「SEOに強いWordpressテーマ」というのは、確かにあります。
SEOに強いWordpressテーマで上位表示できる?
ただ、SEOに強いテーマを使ったからといって、上位表示ができるわけではありません。
なぜなら、検索順位は結局、自分が書くコンテンツによって決まるからです。
内部SEOと外部SEOの影響というのは、コンテンツSEOに比べると小さいです。
正直、SEOに強いテーマを使わず普通のテーマを使ってえも、よいコンテンツを書けば上位表示します。
WordPressのテーマによる影響というのは小さいので、SEOに強いテーマを使ったからといって、上位表示ができるというわけではありません。
SEOに強いWordpressテーマを使う意味とは?
では、SEOに強いテーマを使う意味がないかというと、そういうわけでもありません。SEOに強いテーマを使うことで、よいコンテンツの効果をさらに大きくできるのです。
コンテンツによって90%の力を発揮している記事が、さらにテーマの力によって残りの10%を発揮でき、良い順位にできるというイメージです。
さらに、SEO対策とは記事を作って終わりというわけではありません。日々運用していくことで強めていくものです。
SEOに強いテーマというのは、そんな日々の運用もやりやすく、長期的に効果を発揮してくれるテーマなのです。
だからこそ、SEO効果を発揮できるテーマを使うのが重要です。
SEOに強いWordpressテーマの条件とは?
SEOに強いテーマをうまく使うことで上位表示が可能になります。SEOに強いWordpressテーマの条件は以下です。
- 内部・外部SEO対策が出来ている
- 日々のSEOの運用がしやすい
- 最新の対応がされているか
日々のSEOの運用がしやすいというのは、canonicalタグやnoindexタグの設定が簡単にできる、関連記事への動線が作りやすい、メタ情報の最適化がしやすい、などです。
「最新の対応がされている」というのは、日々進化するGoogleの仕様に対応しているかということです。AMPやPWA、要素が増える構造化マークアップに対応しているかなどがいえます。
SEOに強いテーマかどうかは、以下の条件をチェックするのがよいでしょう。
- 表示速度が速い
- モバイルサイトに対応
- SNS拡散の設計
- ページネーション対応
- noindex、canonical対応
- 関連記事への動線設計
- AMP・PWAに対応
- JSON-LDでの構造化マークアップ
SEOに強いWordpressテーマ
SEOに強いWordpressテーマがあることを解説しました。
ここからは、私がWEBサイトを作るのに利用しているSEOに強いWordpressテーマを紹介します。
有料と無料のテーマを紹介します。もちろん有料の方が対応は完璧ですが、無料のものでもかなりSEO対策が出来ているものがあります。
早く・確実に成果を出したい人は、有料のものを使うのが後で後悔することがないのでおすすめですが、自分の目的や将来の見通しに合わせてどちらを使うかを決めてください。
THE・THOR(ザ・トール)【有料】
「THE・THOR」は、SEOコンサルタント・WEB制作会社として事業を行ってきたフィット株式会社が作ったWordpressテーマ。
SEOのノウハウを持ち、制作技術もある会社だからこそ、できる内部SEOを実現しています。
AMP・PWA、Gzip圧縮・ブラウザキャッシュ、画像遅延読み込み・CSS非同期読み込みなど、SEOで重要な表示速度の最適化を行っています。ここまでの対応しているテーマはあまりなく、その表示速度の速さは国内最高水準です。
構造化マークアップにも対応しているだけでなく、「リッチスニペット表示」にまで対応しているのはかなりすごいです。この設定は面倒だったのが大分楽になります。
記事ごとの総閲覧数・タイトル文字数・本文文字数・キーワード数・リンク数など、SEOで重要なポイントを見える化しているのも、日々のSEO対策にすごく便利です。
SEOだけではなく、デザインもよくて、まさに最強のテーマといえると思います。
WING(Affinger5)【有料】
「WING(Affinger5)」は、アフィリエイターに人気でインフォトップにおいて有料Wordpressテーマの中では最も売れているテーマです。
SEOに強いと話題になったテーマ、「STINGER」のアップデートバージョンです。制作者がアフィリエイターだからこそ、アフィリエイトに最適のテーマとなっています。
SEOに関してもかなり配慮されています。ページネーションの「改ページ」をPC・SPでの表示分けや、構造化データのマークアップがエラーなしだったりと、細かな点までこだわっています。
ただ、公式サイトを見ると、表示速度はほんの少しですがTHE・THORの方が早そうです。ここまで早いとどちらでも十分ですが…。
パーツなどが豊富で、比較する場合に便利な機能がワンタッチで使えます。アフィリエイトや商品を販売する場合におすすめのテーマです。
使っている人が多いのでよくあるデザインになるのと、デザインがちょっと堅い印象なので、少し自分で変えなくてはいけないのが玉にキズですかね。
Cocoon【無料】
Cocoonは無料ですが、SEOの対応がかなりできているテーマですね。正直、無料でここまでというのは驚きのレベルです。
W3Cのバリデーションエラーが0というコーディングであったり、完全にGoogleの推奨する形になっています。
ランキングやブログカードがワンタッチで作れるというのも日々の運用において便利です。
AMP・PWAにも対応していますが現在β版の機能なので、不具合が起こった時に対応できる人が利用するのがよいです。
WordPressテーマのSEOのチェックポイント
SEOに強いテーマかどうかは、以下のポイントをチェックしてください。
表示速度が速い
モバイルファーストインデックスによって、モバイルサイトが検索結果に反映されている現在では、表示速度はとても重要です。
WordPressのテーマのなかでも、余計なタグが入っていたり、余計なファイルを読み込んでいる、画像の遅延ロードがされていないようなものは、表示速度が遅くなります。
テーマの表示速度が速いかどうかは、実際にテーマを使っているサイトをチェックしてみる、自分でテーマを使ってみて速度を調べてみるのがよいでしょう。
表示速度は、Google Pagespeed Insightsで計測できます。
モバイルサイトに対応
検索結果において、モバイル対応されていないものは警告表示が出るので、今どきのWordpressテーマではモバイルサイトに対応していないものはないと思います。
ただ、ボタンが小さい、ボタン同士の距離が近すぎる、文字サイズが小さすぎる、tableが見づらいなど、モバイルサイトが使いにくいようなテーマはモバイルサイトとしての評価はよくありません。
Googleが提供しているモバイルフレンドリーテストで確認をするようにしましょう。
SNS拡散の設計
SNSからの被リンクは直接的なSEOの効果はありませんが、ネット上でのサイテーションを生み出し、SNSのAPIを利用したツールやはてなブックマークからの被リンクなどを生み出します。
SNSで拡散されやすいように、シェアボタンが設計されたテーマを選ぶようにしましょう。
CTAのためのエリアをカスタマイズできるテーマを利用するのがよいでしょう。
ページネーション対応
意外とできていないテーマが多いのが、このページネーション対応です。
ページネーションとは、一覧ページやECサイトのように複数ページになる場合に使う、ページ送りの設定のことです。
ページネーションが出来ていた方がよいので確認をしておきましょう。
noindex、canonical対応
SEOにおいては、どのページをインデックスするかや、URLの正規化を設定しなくてはいけない場合が出てきます。
そんな時にカテゴリページやタグページなど、細かく設定できる設計かどうかを確認しておきましょう。
関連記事への動線設計
Googleはサイト内でのトラフィックを重視しています。サイト内でユーザーにたくさんのページを読まれているサイトの方が、よいサイトであると評価するのです。
WordPressテーマにおいても、ページ間でのトラフィックを生みやすい動線設計になっているテーマがよいです。
ブログカードのデザインが優れていたり、関連記事への設定を細かくできるなど、ユーザーを遷移させる設定があるかどうかをチェックしましょう。
AMP・PWAに対応
モバイルページを高速表示するためにシンプルなページを表示する「AMP」やWebサイトをスマートフォン上でアプリのように動作させる「PWA」は、Googleがモバイルユーザーのために開発した新しい技術です。
この技術を使う必要はないかもしれませんが、対応しているテーマを使った方がいいです。こういった技術を取り入れているということは、制作者がSEOやGoogleの最新の情報をキャッチしているからです。
WordPressのテーマというのは、新しい技術やGoogleのアップデートに対応しなくてはなりません。
アップデート頻繁にしないような制作者が作っているようなテーマでは、将来成果が出なくなると可能性があります。
JSON-LDでの構造化マークアップ
構造化マークアップは検索のランキングには、何ら影響は与えないので、SEO的な効果はありません。
ただし、検索結果で目立つリッチスニペットが表示されるので、必須の設定です。
構造化マークアップの書き方は3種類ありますが、Googleも推奨しているのが、JSON-LDという書き方です。JSON-LDに対応しているテーマを選ぶようにしましょう。
また、Googleはこの構造化マークアップで表示されるものをたびたび変更しています。こういった最新の変更に対応しているWordpressテーマを選びましょう。
まとめ
SEOに強いWordpressテーマの条件・選び方、おすすめのテーマを紹介してきました。
WordPressのテーマを変えたからといって、検索順位が大幅に上がるということはありません。
しかし、良いコンテンツを書いた時に、SEOに強いテーマの方が上位表示しやすいのは確かです。日々のSEO施策をする時にも、テーマによって成果が変わってきます。
集客が必要なサイトをWordpressテーマで作る時には、必ずここで紹介したようなSEOに強いテーマを使うようにしましょう。
SEOに強いブログテーマを選んだ後には、広告収入を得るためのASPに登録しましょう。