私はSEOのコンサルや施策を仕事にしており、これまでにたくさんのサイトのSEO施策を行ってきました。
また、日々海外のSEO情報メディアや書籍などで、SEOの情報をたくさん取り入れています。
そんな私がSEOで検索順位を上げるための裏技、というか検索アルゴリズムの裏側を知ることで見えてくるSEO対策方法を紹介したいと思います。
SEOの裏技はなくなった?
検索順位を上げるための方法として、昔は「被リンクをたくさんつける」「キーワードを5%の割合で入れる」などの、裏技で成果を上げることができていました。
しかし、そういった裏技を利用する行為は検索サービスの品質を下げるので、Googleはどんどん検索アルゴリズムを改良していきました。
その結果、現在ではSEO(検索エンジン最適化)の裏技は通じなくなりました。
ただ、確かに裏技は通用しなくなったのですが、裏技的な考え方・ノウハウはあり、SEOで成果を出せます。
これは秘密の方法というのではなく、Googleスタッフが公表している検索順位付けについての情報から導き出されたノウハウです。
検索順位のランク付けを行っている仕組みを知ることで、裏技のようにSEO対策によって順位を上げられます。
SEOに裏技は存在しない
もちろん、Googleの検索アルゴリズムというのはすごく進化しているので、「これをやったから順位が上がる」という単純なSEOの裏技はありません。
もし、そんな裏技を得たいと思ってこの記事を読んでる方がいたら、すみません、回れ右をしていただいた方がいいと思います。
この記事で紹介するのは裏技ではないですが、多くの人が知らないSEOの考え方、Googleの裏側の仕組みです。
Googleの検索エンジンでは、AI(人工知能)が利用されており、高度なアルゴリズムによって順位がつけられています。
そのAIがどのようなページを評価するのかを知れば、順位を上げるための対策ができますよね。
この知識を知れば、下手な裏技論、テクニック論に振り回されずにSEOの施策を行うことができると思います。ぜひ読んでみてください。
Googleの裏側の仕組み
Googleはページの価値がわかる
Googleの人工知能は、WEBサイトのページがユーザーのためになるものか、ユーザーがその内容に満足しているかを理解できます。
これは「ランクブレイン」という人工知能によって行われています。
ランクブレインとは、検索クエリ(検索キーワード)と検索意図、コンテンツの関係を推測し、最適な検索結果を表示する人工知能です。ランクブレインについては、以下の記事で詳しく説明しています。
簡単にいうと、ランクブレインはクリック率や滞在時間、直帰率などをチェックすることで、ユーザーの行動からページの価値を測っています。
Googleはこのランクブレインによるシグナルが3番目に重要と言っています。
その仕組みは超重要なので理解しておきましょう。
ランクブレインの仕組み
ランクブレインという人工知能は、ユーザーの以下のような検索行動をチェックしています。
- Googleの検索窓にキーワードを入力
- 検索結果を表示
- 検索結果の1番上のページをタップ
- 求めている内容じゃなかったので「戻る」をタップ
- 2番目のページをタップ
- 専門的すぎて内容が難しいのでまた「戻る」
- 3番目のページをタップ
- 求めている内容だったので3分読む
このユーザーの行動をチェックすることで、順位を改善しているのです。
簡単に説明すれば、ユーザーがページを見ずに「戻る」をタップしていることから、1番目・2番目のページはユーザーの検索ニーズに合ってないと考えられます。
一方、3番目のページはしっかりと読まれています。そこで、3番目のページの順位を上げ、1番目・2番目のページの順位を下げるというように順位を変更します。
このように、ユーザーの行動を見ながら順位を変更するのが、ランクブレインの仕組みです。
ここで重要になるのが、UXシグナル(ユーザーエクスペリエンスシグナル)と呼ばれる、ユーザーの行動のなかの指標です。
上の例だと、「戻る」をタップした行動や「3分読む」という行動です。このUXシグナルを元に、Googleは検索意図を把握しながら検索キーワードに対して最適なコンテンツを探っているのです。
ちなみに、このGoogleの人工知能の仕組みは、SEOの本場であるアメリカの業者の間では常識のように浸透しています。
ランクブレインから生まれるSEOの裏技
では、Googleの人工知能による検索順位決定の仕組みがわかったら、SEOにどのように活かせば良いでしょうか?
検索順位を計測
まず、SEO対策をしたページを作ります。SEOに強い文章やページの作り方は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
ページを公開して検索結果にページを掲載できたら、必ずターゲットキーワードでの検索順位を計測してください。
順位を計測するためには、GRCというツールがおすすめです。GRCに関しては以下で詳しく解説しています。
計測結果の順位をさらに上げるために、先ほどのGoogleの人工知能ランクブレインの仕組みを活かしていきます。
UXシグナルが重要
SEO(検索エンジン最適化)で検索順位を上げるためには、UXシグナルの最適化が重要です。
ランクブレインでは、ユーザーの行動をチェックしていると説明しました。
ユーザーの行動のなかのUXシグナルをチェックして、検索順位を上下させているのです。
つまり、UXシグナルを改善していけば、検索順位も上げられるということになります。ユーザー体験を修正していきましょう。
以下のUXシグナルをGoogleはチェックしており、特に重要になります。このシグナルの値を改善するのがよいでしょう。
- クリック率=検索結果でクリックされる率
- 直帰率=ページを訪れた後に「戻る」率
- 滞在時間=ページに滞在する時間、読む時間
UXシグナルの改善方法
クリック率・直帰率・滞在時間というUXシグナルを改善することで、SEOで成果を出すことができます。
それぞれの改善方法は以下です。
クリック率
クリック率が高いページというのは、検索意図に答えているページであり、価値が高いです。
検索結果のなかで、あなたがついクリックしてしまうページとはどのようなページですか?
自分の検索意図に合ったタイトル、自分の検索の意図を解決してくれそうなタイトルをクリックするのではないでしょうか。
つまり、一番大事なのはユーザーの検索意図をしっかりと捉えて、ページでその検索意図に答えているタイトルを書くことです。
次に大事なのは、「目立つこと」です。
検索結果の1ページには10個のページが掲載されています。
自分のページのクリック率を高めるためには、他のページよりも自分のページをクリックしてもらわなくてはなりません。そこで、他のページよりも目立つのが大事なのです。
- 【】や「」などの記号を利用する
- ぎょっとするような意表を突いた言葉を使う
- 疑問形で語り掛ける
これらの方法など、競合のページよりも目立つように工夫してクリック率を高めましょう。
ちなみに、SEOにおけるタイトルの付け方は、以下の記事で解説しています。
直帰率
検索結果でクリックして、ページを訪れたあとにユーザーが離脱するという直帰率はできるだけ下げなくてはなりません。
「戻る」を押してページからすぐに直帰をしているということは、ページの内容が検索意図と合ってない、つまり価値が低いコンテンツということだからです。
直帰率を下げるには、まずユーザーの検索ニーズを深く調査しましょう。そして、ユーザーの検索ニーズに回答できるコンテンツを作りましょう。
さらに、サイトを訪れた人が一瞬で読むのをやめないように工夫をしましょう。
まず、ページを開いた第一印象において、読んでみたいと思わせるデザインや画像を使用します。
文字だらけのページをユーザーは敬遠しがちなので、要点にマーカーや太字を使用したり、文章間・段落間にスペースを取るようにしましょう。
読み込み速度が遅いページも直帰を招くので、ページの読み込み速度はなるべく早くしておきましょう。
このように、ユーザーに読んでみようと思わせる工夫が大事です。
滞在時間
クリックをしてもらったら、ユーザーにはページに長く滞在してもらわなくてはなりません。
長く滞在しているページというのは、それだけユーザーが熱心に読んでいるということであり、検索意図に答えている価値のあるページと判断されるからです。
ページを訪れたユーザーにコンテンツを長く読んでもらうためには、以下の方法が考えられます。
- 他にない価値のあるコンテンツを作る
- コンテンツの結論を段落の前に持ってくる
- 興味を引く見出しにする
- 関連するページを紹介する
コンテンツ自体をユーザーが興味を持って読むように工夫をすることで、滞在時間を高めることができます。
ここまで見てきたように、クリック率・直帰率・滞在時間を改善することで、SEO効果が期待できるでしょう。やってみてください。
小手先のテクニックでなく、ユーザー体験を改善しよう
ここまで紹介してきた内容をまとめると、検索順位改善のSEOのポイントは、ユーザーの行動・体験を改善して、「長く、多く読まれるコンテンツ」を作ることといえます。
たしかに、コンテンツ内のテキストや見出しにターゲットキーワードを入れたり、altに画像説明文を入れたり、canonicalタグを使用したりといった、SEOのテクニックを使うことは必要です。
しかし、小手先のテクニックだけでなく、ユーザーが本当に読んでよかった、ためになったというコンテンツを作ることが、今では最も大事なSEOの要素となっているといえます。
ユーザーが「長く・多く」読むコンテンツを作ることで、検索順位を上げることができるはずです。