オウンドメディアは、企業や個人がブランディングをしたり、集客をするのにとても効果的な手法です。
ネット上にはオウンドメディアが溢れており、成果が出たという記事もたくさんあります。
でも、あなたがオウンドメディアを作りたいと思っていたとしたら、以下のような不安や疑問があるのではないでしょうか?
- オウンドメディアの立ち上げ方や手順がわからない…
- ほんとに成果がでるの?
- 外注すべき?それとも自社で作るべき?
- どんなツールを使って作ればいいの?
- 予算はどれくらいかかる?
この記事を読めば、どうやってオウンドメディアを立ち上げるのかという手順や、どれくらいの費用がかかるのかなど、作成する時の知っておくべきことが全てわかります。
私は、これまでに仕事で企業のオウンドメディアの制作や運用を行い、大きな利益を生んできました。
オウンドメディアは、正しい方法で作り、効果的な運用をすれば、驚異的な成果を出すことができます。
ぜひオウンドメディアを作ってみてください!
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは何でしょうか?立ち上げの手順を解説する前に、その定義を行っておきます。
「オウンドメディア」とは、その言葉の通り「自社で保有するメディア」のことです。
自社で運営し、情報発信をしていくメディアのことをオウンドメディアというのです。企業ブログといわれるものも、オウンドメディアに含まれますね。
個人が運営するブログよりもメディアに近いものという印象でしょうか。
オウンドメディア以外のメディアの形式では、「アーンドメディア」「ペイドメディア」があります。
オウンドメディアのイメージ
オウンドメディアがどんなものかは、実際に企業が運営しているオウンドメディアを見ればイメージできると思います。
以下のサイトをみてください。
これらは成功しているオウンドメディアとして有名なものの例です。
ブランディング・集客・採用など、それぞれの目的をオウンドメディアによって実現していますね。
どれもターゲットに対して、自社から役に立つ情報を発信して、多くの読者を集めるというやり方をしています。
オウンドメディアのメリット
こういったオウンドメディアは、ユーザーのためになるノウハウや情報を提供していくことで、以下のようなメリットを得ています。
- 自社をブランディングできる
- 集客できる
- 問い合わせを増やせる
- 見込み客を教育できる
- 認知度を上げられる
- 顧客リストを得られる
- 顧客を囲い込める
- 自社のファンを作ることができる
- 良い人材を採用できる
オウンドメディアを運用することでこのようにたくさんのメリットがあるので、多くの法人や個人が運営しています。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアには、メリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。
- サイト制作費用
- ライティング費用
- 運用の手間がかかる
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 成果が出るとは限らない
オウンドメディアを立ち上げる時には、無料ブログを利用するのではなく、オリジナルのサイトを作らなくてはならないので、制作コストがかかります。
そして、記事のリライトをしたり、どういったコンテンツを作っていくかの企画を作ったり、より使いやすいサイトへの変更など、管理・運用コストがかかります。
さらに、オウンドメディアでは成果が出るまでに時間がかかりますし、立ち上げる担当者によって成果がでない場合もあります。
オウンドメディア作成前の注意点
知っておいておいた方がいいのが、オウンドメディアを作ったからといって、即集客できるわけではないということです。
オウンドメディアは作ってからが勝負です。コツコツ運用して記事を増やしていくことで読者を増やしていき、多くの人に読まれることで初めてメリットを得られるのです。
作っただけだと何の問い合わせも得られないので、初めから長期的な勝負であると認識しておきましょう。
オウンドメディアの立ち上げの手順
オウンドメディアは、ただ作ればいいというものではありません。
きちんと戦略を立てて、集客ができるサイトを作らなくては、立ち上げたとしても集客が全くできないという事態に陥ってしまいます。
成果の出るオウンドメディアの立ち上げ方を解説していきます。
まず、オウンドメディア作成のおおまかな流れは以下となります。
- マーケティング戦略作策定
- オウンドメディアサイト作成
- 記事作成、運用
戦略→サイト作成→記事作成→分析→修正、運用という流れが、オウンドメディアの作り方の全体像になるのです。
マーケティング戦略策定
まずはターゲットや競合メディアなどの市場、発信する情報、目的などの戦略を作成します。
これは下記の流れで行います。
- 目的の明確化
- 市場調査
- ターゲット決定
- コンセプト作成
この部分は、オウンドメディアが成功するか否かがかかっている大事なポイントです。
しっかりと調査・分析し、方向性を話し合いましょう。
手順1.目的の明確化
まず、自社がオウンドメディアで達成したい目的を考えます。
集客なのか、ブランディングなのか、採用なのかなど、その目的を明確にしましょう。
目的なくとりあえずメディアを作ってしまうと、後々テーマがぶれてしまいますし、メディアを運用する各人で認識が異なるという事態に陥ります。
例えば、私のこの「ひと集めアカデミー」は、WEBマーケティングやWEB集客に困っている人からの問い合わせを獲得することを目的としています。
その目的を達成するために、すべてのコンテンツを作成しているといえます。
手順2.市場調査
目的を達成するためには、どの市場を選ぶかが重要。市場を間違うと、全く成果が出ないということもあります。
何の業界、何のテーマについてメディアを作れば、目的を達成できるのかを考える必要があるのです。
例えば、WEB集客支援を行っている会社が「見込み客からの問い合わせを獲得したい」と考えたとします。
そこで、「SEO」市場でメディアを立ち上げると失敗します。SEOに関するテーマでは、多くの競合がひしめき合っていますし、古くからあるメディアなどは大きなシェアを占めています。
そこに今さら参入しても、成果を出すのは難しいですし、できたとしてもコストや時間がかかりすぎます。
ニーズがあって競合も少ない、他の市場を選んだ方が目的を達成できる可能性があります。
例えば、SEOではなくSNS広告の市場であれば競合は少なく、集客できるかもしれないです。
このように、オウンドメディアを立ち上げる市場をしっかりと調べるようにしましょう。
手順3.ターゲット決定
市場を決めたら、オウンドメディアを読む人=ターゲットを決めます。
どんな人が読むかというイメージを具体的に作ることで、オウンドメディアにどんなコンテンツが必要か、どんな語り口にすべきかなどを決められます。
性別・年齢・仕事・趣味・家族構成・収入など、もっともターゲットに当てはまる属性を持つ「ペルソナ」を設定しましょう。
ペルソナはどんな情報を読みたいでしょうか?ペルソナに向けて、情報を発信していきましょう。
サイトのデザインや装飾なども、ペルソナが魅力的に思うようなサイトにするのがよいです。
手順4.コンセプト作成
市場とターゲットが決まったら、「コンセプト」を決めます。
コンセプトとは、オウンドメディアのテーマをひとことで表すものです。
実例を見てみましょう。
- サイボウズ式→ 新しい価値を生み出すチームのメディア
- PINTO!→企業のマーケティングを支援する
- 北欧、暮らしの道具店→北欧雑貨や北欧食器を中心に紹介
- mercan→メルカリの「人」を伝える
- ferret→マーケターのよりどころ
このように、オウンドメディアのテーマをひとことでまとめたキャッチコピーを作ってみましょう。
どんな人に読んでほしいか、何がテーマかがわかるものにするのがよいですね。
キャッチコピーが決まることで、オウンドメディアの運用に携わるすべての人が同じ方向性に進むことができます。
さらに読む人も、「このメディアはこういうテーマなんだ」とメディアの位置づけを理解することができるようになります。
オウンドメディアサイト作成
マーケティング戦略を作成したら、次にはオウンドメディアのウェブサイトを作っていきます。その流れは以下となります。
- 企画書作成
- デザインテイスト決定
- サイト名決定
- ドメイン取得
- サーバーをレンタル
- CMS決定
- 制作体制決定
- カテゴリ作成
流れとしては、サイト名を決めドメインやサーバーを準備し、サイトを作成します。
そして、メディアのコンセプトが伝わるデザイン、ユーザーが使いやすいレイアウトにし、SEOも万全なサイトにするのが重要です。
作成後の運用時に、記事の更新など管理しやすい仕組みを利用するのも大事ですね。
手順5.企画書作成
WEBサイトを立ち上げる時には、必ず企画書やサイト構成を作成しましょう。
企画書とは、上のようなマーケティング戦略を資料としてまとめたものであり、どういった意図でどのようなメディアを作るかをまとめたものになります。
企画書を作ることで、関係者全員にオウンドメディアの趣旨や目的、意図を簡単に共有できます。
そして、WEB制作会社やライターとも共有することができるので、メディアの方向性がずれることもありません。
手順6.デザインテイスト決定
どんなターゲットに対して、どんなサイトを立ち上げるかが決まったら、次にデザインテイストを考えましょう。
デザインのテイストというのは、ユーザーに与える印象の多くを決めます。
どんな印象を与えたいか、そのためにはどんな色味やテイストがいいかを考えるのです。
ユーザーが、「もっと読んでみたい」「リピーターになりたい」と思うようなデザインにするのがよいでしょう。
例えば、「キナリノ」は、メインターゲットが女性が好みそうなかわいいデザインとなっています。
ネット上の色んなサイトを見て、イメージに近いサイトを集めたり、メインのカラーを決めていきましょう。
手順7.サイト名決定
オウンドメディアにおいて、サイト名はとても大事な要素です。
読者にサイト名を覚えてもらえると、リピーターになってもらいやすいので、覚えやすいサイト名にすることが大事です。
さらに、何について情報を提供しているサイトなのかが、ひと目でわかるような名前にすると読者に興味を持ってもらえます。
以下のオウンドメディアはうまいネーミングですので、参考にしてください。
インパクトがありますし、何のサイトかわかりやすいですよね。
また、検索結果で表示したいキーワードもサイト名に入れておくことで、上位表示がしやすくなります。
手順8.ドメイン取得
サイト名を決めたら、ドメインを取得しましょう。ドメインとはURLのことであり、オウンドメディアの住所のことです。
ドメインは英単語を利用し、長すぎないものにしてください。サイト名をドメインにすれば、読者も覚えやすいのでおすすめです。
ドメインは、お名前.comなどのドメイン販売サイトで購入できます。
オウンドメディアを立ち上げる時には、企業のドメインのサブドメインで作る、サブディレクトリで作るという選択肢があります。
もしメインサイトがあって、そのドメインに関連付けたいという場合には、サブディレクトリの方がSEOでの評価が得られるのでおすすめです。
手順9.サーバーをレンタル
ドメインを取得したら、オウンドメディアのデータを入れるサーバーをレンタルしなくてはなりません。
オウンドメディアでは、いずれは大量のアクセスを得ることを目指します。多くのアクセスを処理できるようなサーバーを利用しなくては、後々サーバーが落ちて困る可能性があるからです。
サーバーには、自社サーバー・クラウドサーバー・共用サーバーがあります。
自社サーバーは、自社で自由にスペックや構成を作れるので自由度は高いですが、購入費がかかります。サーバーを管理・メンテナンスを行わなくていけませんので、専門のスタッフを雇う必要があります。
クラウドサーバーはAWSなどのサーバーのことであり、必要な時に必要な分だけサーバーの機能を利用することができるサーバーです。スケールメリットにより、安全性や安定性はありますし、イニシャルコストを抑えることはできますが、ランニングコストが高くなります。
共用サーバーはレンタルサーバーであり、1つのサーバーを複数のサイトで利用するものです。コストを安く抑えられるのがメリットですが、クラウドサーバーよりも自由度は低いし、アクセス集中には弱いです。ただ、大量のアクセスに対応しているサーバーもあります。
手順10.CMS決定
オウンドメディアメディアを運用するときには、CMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用します。
これはサイトの運用を簡単にするもので、管理画面で記事の管理ができたり、サイトの機能を一括で管理できるものです。
CMSはオリジナルで作る場合と、WordPressやMovableTypeなど初めから機能が用意されたものがあります。
現代では基本的にWordPressでたいていのことはできますし、ネット上にノウハウもたくさん落ちていますし、便利なプラグインもたくさんあるのでおすすめです。
「ferret One」や「はてなブログメディア」などのオウンドメディアサービスもあります。これらはオウンドメディア用に作られたシステムなので、かなり効率よくオウンドメディアを運用することができます。ただ、コストは高めなので、コスパを考えて導入しましょう。
オリジナルで作るのは、余計な費用がかかるのでおすすめしません。
手順11.制作体制決定
ここまで決めたら、次にはオウンドメディアサイトをどうやって作るかを決めましょう。
オウンドメディアサイト用のWordPressテンプレートを販売しているような会社もあります。
こういったテンプレートは自由度は落ちますが、簡単な設定でメディアサイトを作ることができます。
テーマを使わない場合には、WEBサイトをイチからことになります。社内に制作スタッフがいない場合には、WEB制作会社に外注しなくてはなりません。
WEB制作会社は、SEOに強くWordPressの知見があり、オウンドメディアの制作経験がある会社を選ぶようにしましょう。
手順12.カテゴリ作成
オウンドメディアにどのようなカテゴリを作るかは重要です。
サイトのテーマにあったカテゴリを作らなくては、メディアとしての統一感がでませんし、ユーザーが戸惑ってしまいます。
SEO的にもカテゴリはとても大事ですので、しっかりと練ってから決めるようにしましょう。
カテゴリの決め方として、サイトのテーマに関係するキーワードを洗い出して、分類するのがおすすめです。
記事作成、運用
オウンドメディアでは、読者のニーズに応える記事を作成することで、検索結果から読者を集客していくのが大事です。
そのためには、検索される記事を作る体制を作っていかなくてはなりません。
- ライティング体制決定
- キーワード選定
- 記事作成、チェック
その後には、運用担当者を決定し、日々記事を作成し、アクセス解析をしながら修正をしていきます。
手順13.ライティング体制決定
オウンドメディアでは、記事を作成して情報を発信しなくてはなりません。
記事がなければ、アクセスを増やすことができないからです。高品質な記事をたくさん作成しなくてはなりません。
この記事を誰が作るかを決めましょう。社内で担当者を決めるのか、外部のライターに依頼するのか、その場合にはどういったペースや予算で依頼をするのかなどを決めます。
記事のトンマナやルールも決めておかないと、メディア全体で統一感が出ませんので、はじめに決めておくようにしましょう。
手順14.キーワード選定
記事を書く時には、どんなキーワードで検索した時にその記事を上位表示するのか、という検索キーワードを決めなくてはなりません。
記事のテーマとなる検索キーワードを調査しましょう。
例えば、「マーケティング」がテーマのサイトであれば、「マーケティング 勉強」「マーケティングとは」「マーケティング 方法」「マーケティング 会社」などの記事は必要ですよね。
検索キーワードの選定方法は、以下の記事で解説しています。
サイトテーマに関して、ユーザーが検索しそうなキーワード選定して、一覧にしましょう。あとはそのキーワードに対して記事を書くだけです。
手順15.記事作成、チェック
キーワード一覧に沿って、ライティングをしていきます。
外注もしくは自社内で書くことになりますが、きちんとユーザーのニーズを考えて書くのが大事です。
ユーザーはどんなことを知りたいのか、ユーザーに対して専門性が示せているか、独自の内容になっているかなどに注意しましょう。
SEOに対応した記事を書くことで、集客を増やしていくことができます。SEOに強い文章の書き方は以下で解説しています。
記事を書いたあとには、必ずチェックをしましょう。誤字脱字や内容に過不足がないかなど、入念にチェックしましょう。
ここまでが、ひと通りのオウンドメディアの立ち上げ方となります。ぜひ参考にしてください。
オウンドメディア立ち上げの費用は?
では、オウンドメディアを立ち上げて、運用していくのにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
サイトを自社で作れば費用はかかりませんが、制作会社に依頼した場合には費用がかかります。
制作会社によっても変わりますが、最低でも約50万円ほどは必要でしょう。
また、サイトを運用するためには記事が必要ですが、これにも費用がかかります。
記事を検索結果で上位表示するには、SEOライティングができるライターに頼まないといけません。この場合、1記事2万~3万円は最低でも必要になります。
毎月20本記事を外注に出した場合には、40~60万円はかかってくる計算になります。
オウンドメディアを立ち上げるには、初期費用だけでなく、これくらいのランニングコストがかかってくることは覚えておきましょう。
まとめ
オウンドメディアの意味から、オウンドメディアの立ち上げ方の手順を細かく解説してきました。
基本的に、オウンドメディアを立ち上げる際には、この手順で行えばできると思います。
ただオウンドメディアにおいてはサイト制作よりも、戦略や企画の部分が大事です。戦略や企画によって、成功するかどうかが決まるからです。
まずはしっかりと調査し、話しあって練るようにしましょう。
ちなみにオウンドメディアを使った集客方法や、より詳しいメリット・デメリットは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
私はこれまで企業でオウンドメディア事業をしていましたので、オウンドメディアの制作や運用のノウハウを持っています。
制作会社よりも安く、成果の出るオウンドメディアを立ち上げることができますので、もし自社でオウンドメディアからの集客をしたいという方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。