HTMLやメタ情報、サイトの構成も完璧。Hタグやcanonicalタグもちゃんと設定している。ページの内容もちゃんと書いている。
なのに検索順位が圏外になってしまう…という事態になっていませんか?
もしそんな状態になっていたら、「低品質コンテンツ」が原因かもしれませんよ?
私はSEOの仕事をしていますが、「検索順位が圏外になってしまう」「順位が突然大幅に下がってしまった」というお客様から、相談を受けることがあります。
そういったお客様のサイトを見ていくなかで、よく見られるのが「低品質コンテンツ」です。低品質コンテンツが原因でGoogleからペナルティを受けたり、評価がされていないことがあるのです。
ここでは、SEOの現場で働いている私が、低品質コンテンツとは何か、検索順位が圏外になってしまう仕組み、低品質コンテンツの例、低品質コンテンツの見つけ方、検索順位を上げるための対策方法を解説します。
低品質コンテンツとは?
では、低品質コンテンツとはなんでしょうか?低品質コンテンツの意味を説明します。
低品質コンテンツの意味は?
WEBページの「内容」や「中身」のことをコンテンツといいます。つまり、WEBページの中のテキストや画像、動画など、ページ内の情報のことです。
「低品質コンテンツ」とは、このページ内の情報が低品質であるということです。コンテンツの品質の高低は、ユーザーを満足させられているかどうかによって決められます。
Googleの検索サービスの目的は、ユーザーの検索に対してベストな回答を提示することです。
ユーザーの検索ニーズに応えられれば、ユーザーはよりGoogleの検索サービスをよりたくさん使ってくれます。それによって、Googleは利益を得られます。
逆に、品質の低いコンテンツを検索結果に表示してしまうと、ユーザーは利用しなくなります。
だからこそ、ユーザーのニーズに答えられていないコンテンツを、Googleは検索結果で評価しません。こういった、ユーザーを満足させられないものが低品質コンテンツとみなされて、検索順位が圏外へと押しやられるのです。
つまり、低品質コンテンツとは、「ユーザーを満足させられないコンテンツ」のことです。
Googleによる低品質コンテンツの定義
Googleの品質評価ガイドラインによると、低評価をつけられるコンテンツは以下と解説されています。この資料は、アイレップによって翻訳されたものがあります。
この資料によると、低評価ページは以下のように定義されています。
- E-A-Tの裏付けがない。Webサイトが「トピックについて専門性がない」「トピックについて、権威性・信頼性がない」の一方あるいは双方に該当している
- メインコンテンツの品質が低い
- ページの目的に対して、メインコンテンツが不足している
- メインコンテンツはあるが、広告やその他の要素・機能によって使いにくい
- Webサイトの目的に対して、Webサイトに関する情報が不十分(匿名であるための正当な理由がない)
- Webサイトに否定的な評判がある
低評価をつけられるページの特徴を簡単に説明すると、以下となります。
- 専門性・信頼性・権威性がない
- コンテンツの質が低い
- メインコンテンツが不十分
- 不便
- 掲載元の情報が不明瞭
- サイトに対して悪い評判がある
Googleは、こういった特徴を持つページを低品質コンテンツであると考えているのです。そして、低品質コンテンツによって検索順位が圏外に飛ばされるのです。
低品質コンテンツで検索順位が圏外になってしまう仕組み
低品質コンテンツは、ユーザーの検索ニーズに応えられていないコンテンツであり、それをGoogleは評価しないという説明をしました。
そして、この低品質コンテンツが原因となって、検索順位が圏外になってしまうということがあります。
ここからは、低品質コンテンツによって検索順位が圏外になってしまう仕組みを解説します。
低品質コンテンツはSEOで悪影響
2011年の「パンダ・アップデート」によって、低品質コンテンツのページや低品質コンテンツをたくさん含むWEBサイトの順位が、大幅に下げられたり圏外に飛ばされることになりました。
この背景には、スパムサイトが品質の低いページを大量に作ってSEOの評価を上げていたという状況があります。
その状況を改めるために、低品質なコンテンツを評価しないようにアップデートが行われたのです。
近年Googleは、ページやサイトを評価する時にコンテンツをより重視するようになりました。
以下の動画のなかで、Googleのアンドレ・リパッセ氏が、検索アルゴリズムのなかで重要性が高いのは被リンクとコンテンツであると発言しています
つまり、SEOにおいてコンテンツはとても重要であり、コンテンツの品質が低ければ検索結果で順位を上げることは難しいのです。
低品質コンテンツはサイト全体の検索順位へも悪影響
低品質コンテンツによって、検索結果での特定のページの順位が圏外になってしまうだけでなく、サイト全体の順位も悪影響を受けます。
低品質コンテンツにおけるサイト全体への悪影響には、どのようなものがあるでしょうか?
まず、低品質コンテンツがたくさんあると、WEBサイト全体に対して、Googleはペナルティを与える可能性があります。
Googleはペナルティを与えた場合に、マイナスポイントを与えます。サイト全体の評価を下げ、多くのページの検索順位を大幅に下げたり、圏外にするのです。
次に重い対処としては、インデックスからの削除です。これが行われると、サイト自体がインデックスから削除されて、すべてのページが圏外になり、検索でヒットしなくなります。
サイト名で調べても検索結果に表示されない、という事態になってしまうのです。恐ろしいですね。
このように、低品質コンテンツによって、Googleから評価を下げられる可能性があるのです。
どれ位の低品質コンテンツで圏外になる?
低品質コンテンツが多少あるくらいでは問題にならない、ということをGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏は述べています。
では、どれくらい低品質コンテンツがあると検索順位が上がらなくなったり、圏外になるのでしょうか?それに対しても、以下のように言及しています。
気を付けたいのは、サイト内のコンテンツの大部分が薄っぺらくて低品質な場合だ。こうしたサイトは Google が問題視するかもしれない。
巨大なサイトを運営していて一部分がそれほど良いコンテンツでないことがわかっていたとしても、普通は問題ない。
ここでは、サイト内の80%や90%が低品質のコンテンツの場合には問題になるけれども、10%程度低品質なページがあるのは問題ないと説明されています。
ですので、ページ数というよりは、どれくらいのページの割合で低品質コンテンツがあるかを気にするようにしましょう。
私のクリニックのお客様でも、掲示板コンテンツが影響して、1万ページ中9500ページが低品質コンテンツの場合に検索順位を大きく下げられました。
ですが、1000ページ中300ページくらいが掲示板のサイトは影響がありませんでした。
圏外になる低品質コンテンツの例
ここまで、低品質コンテンツの意味やGoogleの定義を紹介してきましたが、具体的にどのようなコンテンツが低品質コンテンツになるのでしょうか?
私は、これまで仕事で多くのお客様のサイトをチェックしてきましたが、低品質になりやすいコンテンツは確かにあります。
特に、低品質コンテンツが大量にある場合には、順位が上がらなくなったり、圏外に飛ばされてしまいますので注意してください。
- 同じ内容の大量の自動生成ページ
- 内容が薄く、説明が不十分なページ
- コンテンツの少ないカテゴリページ
- 用語集、よくある質問
- 店舗・商品詳細ページ
- 掲示板ページ
- サイト内検索結果ページ
- キーワードを詰め込んだだけのコンテンツ
- 広告だらけのコンテンツ
- 悪い評判が多いサイト
内容が同じ大量の自動生成ページ
電話帳のデータや住所のデータ、地域名の掛け合わせで自動的に作りだしたページは、内容が全く同じになってしまい低品質コンテンツになりがちです。
こういったページは自動生成で決まった項目だけを表示するので、コンテンツ量が少なく、低品質コンテンツと判断される可能性があります。
ECサイトやポータルサイト、不動産物件サイトなど、全く同じ内容のページが自動生成で生み出されるサイトがあります。カテゴリページにも注意が必要です。
まったく同じコンテンツが大量にあるということは、読者の目的に沿ってコンテンツが表示されていないということになります。サイト全体が圏外に飛ばされる可能性があります。
そもそも、自動生成ページはGoogleのガイドライン違反です。
テキスト枠を設置するなどして、ページごとにオリジナルなテキスト追加しましょう。
内容が薄く、説明が不十分なページ
メインコンテンツのなかのテキスト量が少なく、書いていることも中身のないようなページは、「低品質コンテンツ」と見なされます。
企業やクリニックのブログで見られますが、「ランチに〇〇食べました」「こんなお店がオープンしました」「〇〇日は休業します」などの内容のブログのことです。
文章量も少ないですし、ユーザーが知りたい情報が掲載されていません。どんなキーワードで調べても圏外でしょう。このようなブログページが大量にあると、品質が低いサイトであると見なされる可能性があります。
こういったコンテンツは長年少しずつ増えていき、最終的には大量のページ数になります。削除する際にも時間がかかってしまうので、早めに対処するようにしましょう。
コンテンツの少ないカテゴリページ
カテゴリページには通常、そのカテゴリに属するページがたくさん並ぶことになります。
ただ、カテゴリをかなり細かく細分化したときなどには、そのカテゴリに含まれるページの数がなかったり、少なかったりします。
このようなカテゴリページはコンテンツが少なく、ユーザーのニーズを満たしていないと判断され、サイト全体の評価を下げられる可能性があります。
ページの少ないカテゴリが大量にある場合には、カテゴリをまとめてカテゴリに含まれるページが多くなるようにするか、ページ数が少ないカテゴリはnoindexにするなど対処をしましょう。
用語集、よくある質問
「用語集」や「よくある質問」は便利なコンテンツです。
私もサーバーを借りる時や定期購読サービスを利用する時に、よくある質問を利用しましたし、わからない言葉があった時に検索したら用語集が出てきます。
ただし、用語の解説が短文だったり、ひとつの質問で1ページ作られているような場合は、内容が薄すぎて不便ですよね。
こういったコンテンツは、低品質コンテンツになりがちですので、リライトでテキストを増やすか、1ページにまとめなくてはなりません。
店舗・商品詳細ページ
店舗詳細ページやECサイトの商品詳細ページも、低品質ページとなって圏外になる可能性が高いです。
住所や電話番号だけの店舗ページや商品のスペックと価格、商品番号だけの商品詳細ページはユーザーの役に立ちませんし、他のサイトと重複コンテンツになる可能性があります。
これらのページには、スタッフやバイヤーによる説明文を入れると共に、お客様の声や事例などを入れてオリジナルなページにしましょう。
掲示板ページ
掲示板に質問を書け、回答がもらえる掲示板機能のページも低品質コンテンツとなりがちです。
多くの人が質問をするのでページ数は増える傾向にありますが、質問は短文であることが多いですし、回答も短文しか入っていないことも多いです。
このように、ページあたりのコンテンツの量が少ない低品質コンテンツがたくさん生まれるとサイト全体の評価を下げられ、圏外になる可能性があります。
質問を1ページにまとめられるようにしたり、質問ページにはnofollowタグを入れるようにしましょう。
サイト内検索結果ページ
サイト内検索があるサイトの場合、この検索結果ページがインデックスされると低品質コンテンツになる可能性もあります。
一般的にサイト内検索結果ページというのは、リンクの羅列であり、オリジナルのテキストがほとんど入っていません。
つまり、差別化もできていませんしユーザーの検索意図に回答できていません。そんなページが大量にあったらGoogleはサイト全体を品質が低いととらえて圏外にする可能性があります。
技術ガイドラインでは、サイト内検索結果はインデックスさせない方法が推奨されています。
キーワードを詰め込んだコンテンツ
キーワードを詰め込んだコンテンツのページも評価が厳しくなります。
スパムサイトは以前は、意味をなさない文章のなかにキーワードを詰め込んでいましたので、そういったコンテンツが低評価となっていました。
しかし、現在は普通の文章のコンテンツでも、キーワードの割合が異常に高い場合には詰め込みコンテンツと評価されることがあります。
そのキーワードでの検索での他のサイトやビッグデータと比べて、異常にキーワードが使われていると、それは意図的にキーワードを詰め込んでいると判断される可能性があるのです。
広告だらけのコンテンツ
広告が画面の大半を占めるようなコンテンツや、広告がたくさん表示されるコンテンツというのは、Googleからの評価を下げられてしまい、検索順位が圏外になってしまう可能性があります。
特に広告は、スマートフォンでの利便性を大きく下げてしまいます。
インタースティシャル広告などのように画面いっぱいの広告は、間違ったタップを誘発してしまいます。広告が多いと、読み込みの速度を遅らせてしまい、ユーザーの利便性を大きく損なうことになるのです。
広告が多いコンテンツの検索順位が圏外になってしまう場合には、一度広告を削除する、広告を減らすなどの対策を行いましょう。
悪い評判が多いサイト
悪い評判が多いようなサイトは、検索結果から排除される可能性があります。
ネガティブな言及がネット上でされていたり、SNSやメールでも悪い評判が書かれているような場合には、検索順位が上がらなくなる可能性があります。
Googleとしては、ユーザーに満足してもらうのが目的なので、評判が悪いサイトを表示してユーザーの利益を損なうことは本意ではないのです。
もちろん、賛否両論は問題ないのですが、嘘の情報や詐欺や犯罪などの情報を掲載しているサイトは、検索順位が圏外にされる可能性があります。
低品質コンテンツの見つけ方
圏外の原因となる低品質コンテンツは、早めに見つけて対処をすべきです。
ただ、膨大なページ数がある場合に、1ページずつチェックをしていくのは困難ですよね。ここでは、負担なく低品質コンテンツを見つける方法を紹介します。
検索流入があるかをチェック
低品質コンテンツを見つけには、ページを見ているユーザーがいるかどうかを調べるのがよいです。
ページの流入数が少ない、もしくは全くないページは、残念ながらGoogleからもユーザーからも評価されていません。
ここでは、「Screaming frog seo spider tool」と「Google Analytics」を利用して、低品質だと思われるページを見つける方法を解説します。
Screaming frog seo spider tool
「Screaming frog seo spider tool」というツールで、サイト内にあるページのURLを抽出することができます。
このツールで抽出した全ページのURLの中から、アナリティクスのデータと照合して、アクセスのないページを見つけます。
Screaming frog seo spider toolを開き、上部にある入力欄に自分のサイトのURLを入力して「Start」をクリックしてください。
上部にある「Filter」をクリックして、「HTML」を選択し、「Export」ボタンを押してCSVファイルをダウンロードしてください。これで全ページのURLを抽出できました。
このツールの使い方は以下で解説しているので参考にしてください。
Google Analytics
次に、Google Analyticsを開き、左メニュー「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」→「Organic Search」をクリックします。
次に、グラフの下の「プライマリディメンション」で「ランディングページ」をクリックします。これで検索からの流入があるページがすべてわかります。この一覧をページ上部の「エクスポート」からCSVファイルをダウンロードします。
全ページの中から、Google AnalyticsにないページのURLを見つけ出します。Excelでcountif関数を利用することで、ふたつのデータを照合して、流入が全くないページを見つけ出せます。
セッションをチェック
検索流入がないページだったとしても、ページ内リンクによって流入があるページもあります。
このようなページはユーザーにとって役に立つコンテンツの可能性もありますので、低品質コンテンツではありません。
ジョン・ミューラー氏も次のように述べています。
気を付けることがひとつあるとしたら、検索トラフィックが少ないという理由からそのコンテンツが悪いからに違いないと考え、削除しようとすることだ。
たいした検索トラフィックがなかったとしてもまったく問題ないときもある。検索するユーザーが単に少ないだけかもしれない。
検索トラフィックがなかったとしても、ユーザーに価値のあるページはあるのです。
これを見つける方法としては、アナリティクスでページのセッションを確認します。左メニューの「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」をクリックで何らかのセッションがあるページを見つけられます。
このデータを上のデータと比較することで、検索流入がなくセッションが全くないページが抽出できます。圏外の原因である低品質コンテンツへ対処していきましょう。
低品質コンテンツの対策方法は?
低品質コンテンツを見つけることが出来たら、以下の3つの選択肢から対策をしていきます。
- 改善
- noindex
- 削除
各コンテンツの状態によって、3つから最適なものを選んでいくことになります。
改善
改善とは、低品質コンテンツを修正したり、文章を追加したり、ページを統合することでコンテンツの質を高める処置であり、Googleも推奨しています。
Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、以下の動画で低品質コンテンツの対処法を述べています。
大量のページをサイト内に作って分散させるよりも、少数ページにまとめて本当に強いページを作ることを推奨する。自分が提供したいと思う情報を掲載して、高品質なランディングページを作ったほうがいい。
内容が薄いページが大量にある場合には、ページを統合してひとつのコンテンツ量が多いページにするのがいいということです。
伝えたいことがあってコンテンツを公開したのだから、破棄するよりも再生する方がよいと考えられます。
修正やリライトの方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
noindex
ページの内容が薄く、検索からの流入が見込めない場合に、Googleにインデックスさせないけれどサイト内には残しておきたいという場合に利用します。
お知らせページやアイテムが羅列されたリストページなどです。
内容は薄いけれどもサイト内のユーザーには便利です。こういったページは、noindexで対応するのがよいでしょう。
ページ削除・リダイレクト
最後は削除という方法です。改善するのが理想ではありますが、改善も難しく、noindexでサイト内に残す必要もないというページもあるはず。
その場合は削除するしかありません。特に、大量に低品質ページを作ってしまっている場合には、全ページを改善することはできません。早めに削除して整理した方がいいです。
ただし、大量のページを一気に削除すると、Googleはそれを異常だと認識します。これはスパムサイトなど、怪しいサイトがやりがちな行為だからです。
削除を行う場合には、1か月に100ページ以内に抑えるなど、あまり大量にはやりすぎないようにしましょう。
また、削除するときには似た内容のページへリダイレクトするようにしましょう。
まとめ:検索順位が圏外になってしまう時には低品質コンテンツを疑おう
低品質コンテンツの定義、検索順位が圏外になる仕組み、低品質コンテンツの見つけ方・対策方法を解説してきました。
低品質コンテンツがたくさんあると、どんなSEO対策をやっても順位が上がらなくなりますし、いくらコンテンツを作っても圏外になってしまいます。
検索順位が急激に下がった場合や、どうあがいても検索順位が圏外になってしまうという場合には、まずは大量の低品質コンテンツがないかを疑ってみましょう。
それらを修正することで、サイトは本来の力を発揮でき、検索結果でも表示されるようになるでしょう。