この記事では、以上のような疑問に対して、DMの意味・種類・メリットを紹介するとともに、成果を出せるDMのライティング方法を解説していきます。
現代では、DM(ダイレクトメール)は大量に送られており、一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2019」によると、平均で1週間に6.7通もDMを受け取っていることがわかっています。つまり、1日に約1通はDMを受け取っているということになります。
これだけ多くのDMが様々な企業から送られる理由は、ズバリ「効果があるから」ですよね。
ただ、ただ送れば成果が出るということではありません。DMが効果を発揮するためには、成果を最大化するライティングをしなくてはなりません。
私がこれまでに仕事でDMを書く中で学んだノウハウ、ライティング方法をもとに、DMのライティング方法を解説するのでぜひ参考にしてみてください!
DM(ダイレクトメール)とは?
DM(ダイレクトメール)の意味はご存じだと思いますが、認識にずれがないように、いま一度DMの意味を定義しておきます。
DMとは、企業から個人や法人に直接送られる、商品やキャンペーンに関する広告のことです。
一方的に多くの人に同じメッセージを流すマスマーケティングとは異なり、顧客をパーソナライズし、ニーズに合わせた訴求を行えるのが特徴です。
DMの種類
DMは、その提供方法によって、以下のように種類分けができます。
- 郵送
- Eメール
- FAX
一般的なのは、はがきや封筒などで送られる、紙のDMを郵送する方法です。
また、紙だけでなくEメールで送るDMもあります。Eメールであれば紙代・印刷代がかかりませんし、郵送料もかかりません。
さらに、FAXでのDMもあり、A4サイズのDMをFAXで送ります。DMでは目的に合わせて、これら3つを組み合わせて施策をします。
これら3つのDMのライティング方法について解説していきます。
DMの目的
DMをどんな時に利用すればいいかわからない、という人もいると思います。
DMは様々な場面で利用でき、以下のように幅広い目的に対して利用することができます。
- 商品を売る
- リードの獲得
- 製品への疑問を解消
- カタログやニュースレターなどのセールス資料を送付
- 営業を刺激する
- 旧顧客への再案内
- 顧客とさらにビジネスを拡大
- 問い合わせへのフォローに利用
- セールスと連携
- セミナーや見本市に招待
- 定期購読や契約のお知らせ
- 顧客に来店を促す
- サンプルを配布
- アンケート調査
- ご機嫌伺い、挨拶
- セールのお知らせ
他の広告でもこういった目的に対してアプローチできますが、コスト面などを比較するとDMが有利な場合もあります。
DMのメリット
ダイレクトメールには様々なメリットがありますが、代表的なものは以下です。
DMだからこそできることもあるので、ライティングをする前にしっかりと覚えておきましょう。
- 効果が見込める
- 見込み客を絞ることができる
- パーソナルな印象を与えられる
- 広告の自由度が高い
- 結果を測定しやすい
効果が見込める
一般社団法人日本ダイレクトメール協会のデータでは、DMの開封・閲読率は自分宛のもので74.0%もあります。
そのうち「話題にした」「インターネットで調べた」「来店した」という何らかの行動をとった比率は、DM総数に対して16.3%となりました。
これは、例えば1000人に配ったとすれば、740人が読んでくれ、そのうち120人が何らかの行動をしてくれるというイメージです。DMでは高い成果を見込めるのです。
見込み客を絞ることができる
DMでは、リストのなかから見込み客を絞って送ることができます。
だからこそ、リーチしたい見込み客のグループのニーズに合わせて、最適なコピーの文言に調整できます。
それによって、効果を最大にしながらも、余計なコストも抑えることができるのです。
パーソナルな印象を与えられる
DMは1対1の媒体であり、顧客にだけ語りかけることができます。
雑誌広告などは、他に多くの人にアプローチしていますが、DMはよりパーソナルな印象を与えられます。
ですので、「私だけに」セールスしているような印象を与えられ、より説得力が生まれます。
広告の自由度が高い
雑誌広告やCM、リスティング広告などは、広告の広さや時間的な長さ、入れられる文字数などに制限があります。
DMであればそんな制限はないので、複数枚のレターを作ったり、写真やクーポンを入れたりと、自由に表現できます。
結果を測定しやすい
DMにクーポンを入れたり、返信用のはがきやフォームURLなどを入れておくことで、その効果を測定することができます。
測定結果を活かして、DMの内容を改善していくことができます。
ここまで、DMのメリットを解説してきましたが、これらのメリットを活かせるように、DMはライティングしなくてはなりません。次からは、DMのライティング方法を解説していきますね。
DMで大事なのはセールスレター
紙のDMの場合には、封筒にセールスレター・返信用のはがき・フライヤー・パンフレット・クーポンなど、様々なものを同封することができます。
このなかでも、セールスレターは特に重要です。というのも、広告の大半はセールスレターが行うからです。
パンフレットやフライヤー、クーポンなどはセールスポイントを強調したり補足するもので、最も売り込みをするのはセールスレターですね。
だからこそ、DMのライティング方法とはセールスレターの書き方のことなのです。ここからは、セールスレターのライティング方法を解説していきます。
紙のDMのライティング方法
郵送やFAXで送る、紙のDM、セールスレターのライティング方法を解説していきます。
ライティング前の情報の整理
DMを書き始める前に、DMに書く内容を整理するようにしましょう。
整理する際には、「何を訴求するか」「誰に訴求するか」「顧客にどんなベネフィットがあるか」を考えるのがよいです。
まず、そのDMでは何を顧客に訴求をして、どのような行動を取ってもらうかという目標を決めましょう。
「セールの告知をしてお店に●人来てもらう」「新商品の情報を告知して、問い合わせを〇件得る」など、目標を決めてゴールを具体的にしまs。
そして、読者はどのような人なのか、どんな悩みを持っている人なのかを具体的に決めましょう。年齢・性別・職業・家族構成など、読者の人物像を明確にすることで、読者に響くDMを書くことができます。
効果のないDMでよくあるのが、商品やサービスの機能や価格などのスペックを前面に出してアピールしているものです。これでは読者は、DMの内容を魅力に思って行動に移してくれません。
読者を行動させるには、その商品やサービスを使うことで、どんなベネフィットがあって、どんなに悩みが解消されるか、ということが必要なのです。
このように、「何を」「誰に」訴求するのか、「どんな悩みを解消するか」を明確にしましょう。
DMの文体
DMは、1対1で語りかけることができる媒体であり、よりパーソナルな印象を与えられると述べました。
だからこそ、DMのライティングにおいては、相手に語りかけるような文体で書くのがよいです。
「私」という一人称を利用し、読んでいる人を「あなた」と呼んで語りかけると、よりパーソナルな印象を作れます。
友人に話すように、短縮後を使い、口語調の言葉づかいをし、短く歯切れのいい文章を利用することで、親しみを与えましょう。
DMの構成
DMの構成としては、以下が最もベーシックな方法ではないかと思います。
- 宛名
- 見出し
- リード文
- ベネフィット
- 理由
- 具体例
- 反論への回答
- オファー
- レスポンスすべき理由
- 追伸
まず見出しとリード文で興味を引き、次にその根拠を説明していきます。
それから顧客に提供できるベネフィットを書き、なぜそのようなベネフィットを提供できるかという理由を書きます。具体例を入れたり、反論に対して丁寧に回答するのも有効です。
そして、読者にとってほしい行動がある場合には、しっかりとその旨を書かなくてはなりません。行動のオファーの部分には、「今なら〇〇プレゼント」「今なら〇〇円割引」などのように、今行動すべき理由を書いて行動を促します。
また、コピーの最後の方には追伸を入れましょう。追伸は多くの人が読むので、ここに大事なポイントは入れるのが大事です。
DMの宛名の書き方
DMの封筒では、手書きの封筒よりも宛名シールを利用した方が、アマチュア感がなくレスポンスが得られます。
セールスレターの上部には宛名を書くことになると思いますが、この宛名は個人名を記載したほうがレスポンスはよくなります。
「社長様」「担当者様」と書いているだけの宛名では、宛名なしでいきなり見出しで始まっていても、レスポンスは変わらないことがわかっています。
ただし、既存顧客や企業の上層部などエグゼクティブの場合には、手書きで個人名を書いた方がレスポンスがよいことがわかっています。
個人名がわかっている場合の注意点として、DMのなかで相手の名前を何度も繰り返すのは避けた方がいいです。
例えば、「山田様はこういったことで悩まれたことはありませんか?ですから私たちは山田様のご家族のためにも~」のような繰り返しは、違和感や不信感を与えることになります。
見出しに関しては、以下のページで解説しているので参考にしてください。
DMの書き出しのライティング
DMでは最初の書き出しがとても重要です。書き出しの1文によって読者の興味を引けるかどうかで、DMを読んでもらえるが決まります。
書き出しには、興味深いことが書かれていて、読んでみようと思わせる内容の文章が必要なのです。
この書き出しには、いくつかのパターンがあります。下記の方法を参考に、興味を引く書き出しのライティングをしてみてください。
- オファー:セール商品、割引価格、ディスカウント期間、保証など
- 無料の資料提供:無料の資料を提供することで、問い合わせを増やすことができます。
- ニュース・発表を行う:人は新しいものに注意を引かれてしまいます。新製品、新機能、イベントや協会の設立のニュースなど。
- 物語を語る:人は物語にも引き込まれてしまいます。書き出しにおいて、ある人物のストーリーを語ってみましょう。
- 読み手を持ち上げる:同じ内容のDMが多くの人に配られていることを読者は知っています。これを利用して、「リストに掲載されているグループは特別な人たちのグループです。つまり貴方様も特別な方です。」というように持ち上げましょう。
- 業界用語や表現で始める:人は同僚や同業界の人間からの営業に耳を傾ける傾向があります。ですので、業界用語や業界独自の表現など、共通点を与えられるような表現で始めてみましょう。
- 社長からの個人的なメッセージに見せかける:顧客は責任者や代表者と話すことを好みます。DMの初めのあいさつ文などに、社長の署名とともにメッセージがあると、ついつい読んでしまいます。
- 引用を用いる:驚くようなデータや統計は好奇心を掻き立てます。また、有名な人物の言葉を引用なども、つい読んでしまうはずです。
- 質問を投げかける:おもしろい答えや読み手にとって重要な答えがある場合には、読者への質問から書き出しを始めてみましょう。
- 読み手の悩みや問題に触れる:人は自分の抱えている悩みや問題をつかれると、つい反応をしてしまいます。商品やサービスがいかにその問題を解決するかを説明すれば、訴求力が高まります。
- 特別であることを示す:人は特別に扱われたい生き物です。今読んでいるDMが、他の人には送られていないDMであり、特別な情報を提供していることを示せば、読者は優越感を覚えるとともに、DMを無視できなくなります。
このように、DMの書き出しでは工夫をすることで読者の関心を掴んで、DMを読んでもらえる確率を上げるようにしましょう。
DMのライティングのポイント
DMのライティングで重視すべきことは、「DMからどれだけ売りを立てられるか」「どれだけ問い合わせを得られるか」です。
だからこそ、DMの文章は、レスポンスを目的にして書かれなくてはいけません。
そのためには、細かな工夫やテクニックが重要になってきます。
例えば、レターのなかで段落を字下げしたり、下線を引いたり、強調部分の文字に色を付けるなどすると、よりレスポンスを高められます。
返金保証をすることでも反応は上がりますし、注文フォームはカラーや装飾されたものの方が反応がよくなります。
資料請求を得たい時には、「無料であること」「売り込みをしないこと」などを明記することでレスポンスが上がります。
またオファーではタイムリミットを設けることでレスポンスが得られやすくなりますし、追伸ではオファーやセールスポイントを繰り返すと増えます。
DMの同封物
DMのなかには、返信用はがきや注文フォーム、フリーダイアルの番号、サイトURLなど、レスポンスしてもらうための仕組みを入れておきましょう。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会のデータでは、DMの中身としては下記のものがよく読まれているようです。
- クーポンの案内・プレゼント
- 特売・セール・キャンペーン案内
- 新商品・サービスの案内
- イベントの案内
- カタログや情報誌の送付
このように、DMでは顧客にとって具体的なメリットがあるものが読まれやすいことは覚えておきましょう。
DMには、こういった顧客がつい読んでしまう、つい行動してしまう同封物を入れるのも大事になってくるのです。
DMのなかにパンフレットなどを入れる時には、セールスレターが最も目につくように手前に入れておきましょう。
DMのなかには、ポップアップやカレンダーなど、実体のあるものを同封しましょう。人はボリュームのある封筒があると、気になって開ける傾向があります。そして、返信用はがきの切手は、貼っておいたほうが反応がよくなります。
EメールDMのライティング方法
紙のDMの書き方を解説してきましたが、もちろんEメールのDMでも基本的な部分は同じです。
ですが紙のDMと異なり、EメールのDMのライティングは、メールだからこそ注意すべきポイントもあります。
以下では、レスポンスをもらえるEメールのDMのライティングの書き方を紹介します。
送信者
DMでメールを送る際には、リストを準備して送ると思います。
このリストが自社の顧客である場合には、「送信者」欄は自社や自分の名前にしておきましょう。知っている人だったらメールを開いてくれます。
そうではない場合には、よく知らない会社からメールが来ても不信に思うだけです。その場合には、「送信者」をリストの提供者の名前にするのがよいです。
リスト作成者が受信者と良い関係にある場合には、リスト作成者の名前にすることで、受信者はメールを開いてくれる可能性が高まるのです。
また、送信者欄に「チーム」という表記を利用するのも反応率がよくなります。
件名
メールは開いてもらわなくては、なかのセールス文を読んでもらえません。だからこそ、件名で注意を引きつけることが特に重要です。
件名は、短く、注意を引き、受信者の好奇心をかきたてるものにしましょう。
件名を書く時のヒントとしては、以下のような要素をヒントにしてみてください。
- 希少性:「20組限定」「残りわずか」
- 緊急性:「8/30までの期間限定」
- 新情報:「新発売」「新発見」
- 逆説:「絶対にこのメールを開けてはいけません」「これは軽々しく使わないでください」
- 無料:「無料キャンペーン」「お試し無料」
- ベネフィット:「このサービスを使えば100万円節約できます」
- プレゼント:「〇〇もプレゼント」
- 質問:「〇〇な方法知ってますか?」
こういった要素を見ると、紙のDMの書き出しで利用したアプローチと近いと思います。紙のDMの書き出しで書いたことも活用してみてください。
見出し
メールでも見出しを作りましょう。記号で囲ったり、文字サイズを大きくするなど、目立たせるのが大事です。
見出しの内容は、ベネフィットを大きく打ち出したものにしましょう。
Eメールに書かれているサービスを利用することでどんな体験ができるのか、どんなメリットがあるのかを書くのです。
Eメールでも、紙のセールスレターの見出しを書くのと同じように見出しを書いてみてください。
本文の構成
メール内の最初のパラグラフでは、メッセージ全体の要約を書きましょう。
ネットユーザーは集中力が継続しづらいですし、流し読みが一般的です。
だからこそ、最初のパラグラフの部分に、オファーやサイトへのリンクなどを設置しましょう。オファーはメールの最後にも入れます。
メールのその後には、紙のDMと同じように以下のような内容を書いて、レスポンスにつながるように訴求しましょう。
- ベネフィット
- 理由
- 具体例
- 反論への回答
- オファー
- レスポンスすべき理由
- リンク
メールが長くなるような場合には、途中でオファーのリンクを入れましょう。
EメールDMの長さ
私が日常で受け取るEメールDMでは、とても長いものがあります。
たしかに、DMは長い方が多くのことを伝えられるし、レスポンスを生みだすように感じられます。紙のDMでは、長い方がしっかりと説明ができるので、成果がでました。
ですがEメールのDMの場合には、多くの人は1本のメールをそんなに長い時間読みません。
EメールのDMのライティングでは、テキストを絞って、要点だけを書くようにしましょう。そして、LPやウェブサイトへのリンクを設置し、詳しい説明はそちらのページで行いましょう。
もちろん短いといっても、大事なことを十分に伝えられるように、400~800文字程度は最低でも必要になると思います。
まとめ
DMの意味からその種類やメリット、紙のDMとEメールのDMのライティング方法を解説してきました。
DMはうまく利用すれば、大きな成果が得られます。問い合わせや資料請求、商品の購入など、たくさんの成果を生み出すことができます。
そのためにも、今回紹介した顧客を動かすダイレクトメールのライティング方法を使ってみてください!
ここで紹介してるDMのライティング方法は、以下の書籍を参考にして書いています。とてもためになる情報が盛りだくさんなので、ぜひ読んでみてくださいね。