SEOにおいて、「被リンクが重要」「被リンクはSEO効果がある」という話を聞いたことがありませんか?
そしてネット上には、「被リンクを増やそう」「被リンクをもらおう」という趣旨の記事がたくさんあります。
ですが、被リンクについて以下のような疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
- 被リンクって本当に効果あるの?
- 被リンクを薦める業者がいるけど信用していいのかな…
- 被リンクを張ったけど効果が見えない…
- 被リンクを依頼してスパムにならない?
このような疑問に対して、これまで仕事で被リンクのSEOも行ったこともある私が、SEOにおける被リンクについて解説しようと思います。
たしかに、SEOで被リンクは重要ですが、ただ被リンクを張ってもらうだけでは意味がありません。
どのような被リンクをもらうと効果が生まれるか、どんな被リンクを得ればいいかがわかりますよ。
SEOで被リンクが重要な理由
SEOにおいて、被リンクはとても重要です。
まず、Googleが被リンクをどう評価しているのか、SEOで被リンクがなぜ重要なのかを説明しておきます。
SEOで被リンク効果はあるの?
SEOにおいて被リンク効果はあるのでしょうか?答えは「ある」です。
Googleは、被リンクをSEOの評価に利用していると明かしています。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。
Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。
参考:『Google が掲げる 10 の事実』
リンク分析のアルゴリズムでは、張られているリンクによってもWEBページの重要度が分析されているのです。
また、GoogleのQ&Aのなかでアンドレ・リパッセ氏は、検索順位決定のアルゴリズムのなかで最も重要なのは「リンク」と「コンテンツ」であると述べています。
Googleによる検索順位決定において、それくらいリンクの影響というのは大きいのです。
Googleが被リンクを重視する理由
では、なぜGoogleはリンクを重視するのでしょうか?それはGoogleがリンクを投票と考えているからです。
PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
参考:『Google が掲げる 10 の事実』
Googleはリンクを投票と解釈して、いいWEBページには投票=リンクが集まると考えているのです。
元々、Googleのリンク分析アルゴリズムは「よく引用される論文は良い論文」という学術の世界の発想から生まれたものです。
論文と同じように、被リンクがたくさんあるということは、多くのWEBページから参照されているということであり、ページの情報に価値があること、信頼性が高いことを意味します。
リンクという投票によって評価されているWEBページは、ユーザーの役に立つコンテンツである可能性が高いのです。
SEOに効果のある被リンクの条件
SEOに有効な被リンクの使い方の基本は、「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」に掲載されています。
ここでは、ガイドラインに記載されていないSEOに効果のある被リンクの特徴を解説します。
被リンクへのGoogleの評価項目
基本的に、リンクに対するGoogleの評価は、以下の考え方に基づいて行われます。
- 多くのWEBページからリンクが張られているページは重要
- 人気があるWEBページからのリンクは人気のないページからのリンクよりも意味がある
- 同じ話題やテーマのWEBページからのリンクは、そうでないページからのリンクよりも大きな意味を持つ
当初のGoogleの被リンク評価は、質のいいページから多くのリンクを受けているページの評価を高めていました。つまり、リンクの数と質で判断していたのです。
しかし、それではスパムが増えたりユーザーのニーズに応えられなかったので、現在では「関連性」「時間」「信頼性」でもリンクを評価しています。リンクで大事なのは以下の項目です。
- 数
- 質
- 関連性
- 信頼性
- 時間
- トラフィック
これらの視点から効果のあるリンクを説明します。
数
すべてのリンクの質がよいのであれば、リンクの数は多ければ大きい程よいです。
先ほども述べましたが、Googleはリンクを「投票」だととらえています。ですので、投票が多いほど多くのページから評価されて、人気があると判断されます。
ただ現実では、リンクが張られる元のサイトが異なりますし、リンクの数だけで評価することはできません。
そこでリンクの質が関係してきます。
質
リンクの質とは、「どのようなページから張られているか」ということです。
同じ1本のリンクでも、より人気の高いページからのリンクは、そうでないリンクよりも価値が高まります。
人気の高いページというのは、PageRankが高いページと考えればよいです。PageRankが高いページからのリンクは評価が高くなります。
ただPageRankの高いページからリンクをもらっても、内容に関係なく大きなサイトからリンクをもらうだけで順位が上がっていたのです。
リンクをたくさんもらっていたり、サイトの運営歴が長くて評価が高いサイトからリンクをもらいましょう。
しかし、これではユーザーの検索ニーズとずれてしまっていました。そこで、「関連性」が重要になります。
関連性
ただ質の高いページからリンクをもらうだけでなく、関連性の高いページからリンクをもらった場合の方が効果を大きくします。
コンテンツのテーマ(トピック、話題)が、近いページからリンクをもらっているページの方を評価するのです。
同じテーマのページを書いているページから参照されているページの方が、コンテンツの質は高いはずですよね。
要は同業界から参照されている人の方が、より信頼できるということです。同業からリンクをもらいましょう。
また、リンクのアンカーテキストによっても、ページの内容を評価しています。アンカーテキストは、遷移先のページのテキストにしましょう。
信頼性
数や質や関連性のあるリンクというのは、自分でページを作ってリンクを張れる可能性があります。これでは、そのリンクの評価は正しくできないですよね。
そこで、リンクの「信頼性」もリンクの効果を評価する要素となっています。「信頼性」とは、信頼できるサイトからのどれくらいのリンクをたどる必要があるかを測るものです。
友達の友達はまだ信頼性が高いですが、友達の友達の友達の友達になると信頼性が下がるのと同じ原理です。
例えば、業界のなかで権威的なサイトは信頼できますが、このサイトからどれくらいのリンクの距離があるかを調べること信頼性を測ります。
リンクの数や質、関連性が高いのに、この信頼性が低いということは、自分で作ったリンクネットワークの可能性が高いということになります。
信頼性の高いサイトから直接リンクをもらえるように工夫しましょう。
時間
リンクの効果を考える時に、時間も影響してきます。
張られてから1か月しか経過していないリンクと2年経過したリンクでは、2年経過したものの方が評価が高くなります。
もちろん、1か月だからといって信頼性がないと判断されるわけではないですが、長い方がリンクの効果が高まります。
スパムサイトなどはサイトを作ってからすぐに大量のリンクを張りますよね。それで評価を上げてしまうのを防ぐ意味もあるでしょう。
より長くサイトを運営し、長い期間リンクを得れば、それだけリンクの効果は高まるといえます。
トラフィック
「トラフィック」とは、リンクでのユーザーの移動のことです。
リンクを張ることで、確かにページ間を移動できるようになります。しかし、ただリンクを張るだけでは、リンクの本来の役割を果たしているとは言えません。
リンクをクリックして、ページを移動しなければ本当に意味のあるリンクとは言えません。
これは、道路を作るだけでは意味がなくて、人が通らなければその道に意味がないのと同じです。
ですので、Googleはクリックされているリンクに評価を与えます。クリックされないリンクをいくら張ろうがほぼ意味がないのです。
実際にユーザーにクリックしてもらえるようなリンクを張ってもらうようにしましょう。
SEO効果のある被リンクの作り方
ここまで見てきたように、SEO効果を生み出す被リンクというのは、様々な条件があります。
リンクを張られるコンテンツを作る
トラフィックのあるリンクというのは、自作ではなかなか作ることができません。
自分でリンクを作ったとしても、そのリンクをクリックする人がいますか?自分で作ったサイトの質はよくて信頼性がありますか?
SEO効果のあるリンクとは、自然に人からシェアされたり、参照されるようなものでなくてはなりません。
結局、人が思わずリンクを張りたくなる良いコンテンツを作る、しかないのです。
リンクを張りたくなるコンテンツとは
人がリンクを張りたくなるコンテンツ、参照したくなるコンテンツとはどのようなものでしょうか?
参照されやすい記事の特徴とは、以下です。
- オリジナルのデータがある
- ノウハウがたくさん書かれている
- 人に教えたくなる情報
- 権威性や信頼性のある人が書いている
- SNSシェアボタンが設置されている
- ためになる
- 感動する
このようなポイントに注意してコンテンツを作ることで、効果のあるリンクを促進することができるでしょう。
よくある被リンク4パターンのSEO効果
SEO効果がある被リンクとは、「関連するサイト」からのリンクであり、「実際にトラフィックがあるもの」だということがわかりました。
これを元に考えると、ちまたで言われている被リンクにSEO効果があるかどうかもわかります。
こんな被リンクを張って効果があるの?と疑問に思っている人は参考にしてみてください。
被リンク業者からのリンク
リンクを張ることでお金を取る業者がいますが、これ、全く意味がないので絶対にやめましょう。
こういった業者は、自社で作ったリンク用のサイトからリンクを張りますが、このサイトというのはほとんどアクセスのない意味のないコンテンツです。
こんなサイトからリンクをもらっても、関連性もトラフィックもありません。
ひどいものだと自動生成でリンクを作るシステムだったりします。メリットがないのに、逆にスパムになる可能性があるのです…。
百害あって一利なしどころか、お金を払って害を買うような行為です。
それ以外にも、関連するテーマでWordPressサイトを作って、被リンクを張るという業者もいます。
これらも、関連性はありますが、トラフィックがないので全く意味がありません。
もしこういった業者から営業を受けたら、被リンクからどれくらいのトラフィックを受けられるかを聞いてみましょう。
おそらくそういった業者は、質の高いリンクでなくては意味がないということさえ知らないと思います。
自作リンク
自分で作ったサイトからリンクを張るという人がいますが、これもほぼ意味がありません。
Googleは意図的なリンクを把握できますし、同じ運営者が作っているサイトなども把握できるので、リンクを張ったとしても意味がないのです。
もちろん、関連するテーマのサイトから大量のトラフィックを生むリンクであれば効果は得られるかもしれません。
また、はてなブックマークなどで自分でブックマークをするのも同じです。
自然に多くのユーザーがブックマークをするのであれば意味がありますが、自分でブックマークをするのは意味がありません。
SNSからのリンク
基本的にTwitterやFacebookなどのSNSからのリンクには、「nofollow」がついているので、被リンク効果は全くありません。
ただ、SNSのAPIを利用しているツールなどは、nofollowになっていないのでこういったツールからの被リンクを
もちろん、そのリンクからトラフィックが得られないと意味がないですが。
NaverまとめやNEWS PICKSなどはnofollowがないですので、大量のアクセスを作れる場合は被リンク効果を得られる可能性があります。バズる記事を書ければ効果があるでしょう。
ブログランキング
よく、ブログなどに貼ってある「ポチっとお願いします」みたいなやつです。「人気ブログランキング」や「にほんブログ村」などがありますね。
こういったブログランキングは、ランキング上位になれた場合にのみ若干効果があるかもしれません。
それ以外の順位では、ランキングサイトからアクセスが発生しないので意味がありません。しかも、そのアクセスはちゃんと読んでくれるようなユーザーからでなくては、意味がありません。
自分のサイトにもランキングサイトへのリンクを張らなくてはならないので、発リンクをつけなくてはいけません。PageRankをランキングサイトに与えることになるので、やらない方がいいでしょう。
効果のある被リンクの調べ方
あなたのサイトが受けている被リンクは、どうやってチェックすればいいでしょう?
SEOツールを使えば、サイトの被リンクを調べることができます。
Ubersuggest
「Ubersuggest」は、SEOリサーチツールなのですが、同様の機能がある「Ahrefs」よりもかなり料金が安いのでおすすめです。
Ahrefsは月に1万円以上かかるのですが、Ubersuggestなら月額で3000円です。
このツールの機能のひとつ「SEOアナライザー」のなかにある「被リンク」で調べたいページのURLを入力すれば、ページの被リンクを調べることができます。
URL単位、サブドメインを含めないドメイン単位、サブドメインを含めるドメイン単位の3つの調べ方ができますので、ページだけやサイト全体につけられている被リンクがわかります。
しかもリンク元のドメインスコアも調べてくれますので、効果のあるリンクか効果がないリンクかを知ることもできます。
「獲得&消滅被リンク」もわかるので、いつリンクがついたか、リンクがなくなったかがわかります。
さらにさらに、被リンクチェックツールを使うことで、競合ページについている被リンクも調べることができます。
そのリンク元にアプローチをして、自分のページにも被リンクをもらうという施策を行ってもいいでしょう。
被リンクとスパムの関係
リンクがSEOに重要であるということが明らかになると、リンクを不正に操作することで検索順位を上げる行為、通称「検索エンジンスパム」が出てきました。
例えば、自分で大量のWEBサイトを作り、順位を上げたいページに大量のリンクを張る、サイトのネットワークを作り相互にリンクさせるというようなものです。
これによって、一時はひどいスパムサイトが上位に表示されるということになりました。
この状況を改善するために、Googleは検索アルゴリズムの修正を行い、現在ではとても複雑なものに進化しました。
スパムについて知っておくことで、ペナルティにあたるリンクを避けるようにしましょう。
リンクの操作は罰せられる
現在のGoogleのシステムは非常に進化しており、リンクの操作をしたとしても評価は与えられません。
さらに、リンクの操作は検索エンジンを騙す行為であり、ユーザーに有益な情報を提供するという使命を妨害する行為なのでGoogleは強く禁じています。リンクの売買も禁じられています。
検索エンジンのランキングを操作するために PageRank を渡すリンクを売買することは、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反しています。
Googleは不正なリンクを見つけられるように進化しています。もし見つかったら、スパム行為を行ったサイトはGoogleからペナルティを受けることになります。
検索エンジンのインデックスから削除されたり、ランキングを大きく下げられますし、ドメインごと削除ということもありえます。
被リンク業者に依頼することや不正な被リンク操作はやめましょう。あとで後悔することになりますよ。
ペンギンアップデート
リンクの評価を厳しく行うために生み出されたのが、「ペンギンアップデート」です。
ペンギンアップデートは、2016年9月に導入が完了アルゴリズムであり、SEOスパムや低品質なリンクを対象としてサイトの評価を調整するものです。
対象となるのは、キーワード詰め込みやコンテンツの自動生成、クローキングなどのスパム行為や、作為的なリンクや低品質なリンクビルディングなどです。
ペンギンアップデートの対象になるのは「リンクプログラム」に違反するようなリンクです。
リンクが違反していないかどうか、しっかりとチェックしましょう。
まとめ
SEOにおける被リンクの効果について解説してきました。
SEOにおいてGoogleは被リンクを重要視していますが、そのリンクは意味のあるリンクでなくてはなりません。
自分で作るリンクではなく、ユーザーが自然にリンクをつけたくなるような、質の高いコンテンツを作らなくてはならないのです。
そして、リンクをユーザーが遷移するようなものでなくてはSEO効果は得られないと覚えておきましょう。