私はSEOやWEBサイト制作の仕事をしていますが、予算のないお客様の公式サイトを作る時に、オリジナルでWEBサイトを作るのでなくWordpressテーマの利用を薦めることがあります。
WordPressテーマを利用すれば、コストを抑えながら、見栄えのいいコーポレートサイトを作ることができます。
オリジナルで作るよりも自由度は制限されますが、Wordpressのテーマには初めから豊富な機能がついているので、しっかりしたコーポレートサイトを短時間で作ることができます。
ここでは、仕事でコーポレートサイトをたくさん作ってきた私だからこそわかる、おすすめのWordpressのテーマとコーポレートサイトを作る時に注意すべきことを紹介します。
コーポレートサイトには有料と無料のどちらを使うべき?
WordPressのテーマには、有料のものと無料のものがあります。コーポレートサイト用にWordpressテーマを選ぶ時には、どちらを選ぶのがよいでしょうか?
私としては、有料テーマの方がおすすめです。というのも、有料テーマの方がSEO対策が万全で、機能が豊富でデザインの選択肢も多いからです。
無料のWordpressテーマというのは多くの人が使っているので、大きくカスタマイズしなくてはすぐにわかってしまいます。WEBサイトは企業の顔となるものですので、無料のテーマを使っているというのはあまり印象がよくないと思います。
WEBサイトというのは、オリジナルで作ると数十万円はかかってしまいますが、Wordpressテーマを使えばコストがかかったとしても2万円もかかりません。
WordPressテーマによって大幅にコストを抑えられるので、企業を紹介するWEBサイトは、せめて見栄えも機能もよい有料のものを使う方がいいと思います。
コーポレートサイトにおすすめのWordpressテーマ:有料編
まず、私がクライアントのサイトを作る時に使っている有料のものの中から、おすすめなWordpressのテーマを紹介します。
デザイン・機能性を両立したいなら「THE・THOR」
「THE・THOR(ザ・トール)」は、WEB制作会社であるフィット株式会社が開発・販売しているWordpressテーマです。
制作会社が作っているだけあって、他のテーマのように「SEOだけ」「デザインだけ」ということがなく、すべての面で優れたテーマです。
また他のテーマと異なるのは、「無料・無期限・無制限」のサポートやアフターフォロー体制がある所。使い方やトラブルが不安という方も安心です。
THE・THORのデザイン
WEBサイトの制作やSEOを行っている私から見ても、このWordpressテーマはとても優れていると思います。
まず、制作会社が作っていることもあって、デザインがとてもよいです。デザインの知識がない人が作っても、バランスが崩れない洗練された作りになっています。
アイコンは498種類、見出しデザインは53種類と、すごい量のデザインの選択肢がありますし、口コミ・レビュー・会話風吹出しなども準備されています。
ユーザーの視線に飛び込む位置にCTAエリアも設置していて、資料請求などの行動につなげるレイアウトでもあります。
管理画面上からアイキャッチ画像を加工可能ですが、これは他のWordpressテーマにはないような機能ですね。
THE・THORのSEO対策
SEOに関しても、Gzip 圧縮・ブラウザキャッシュ、構造化マークアップ、画像遅延読み込みなど、必須の部分はもちろん対応されていますね。
さらに、AMP・PWAページネーションやcanonicalなど、他のテーマでは出来ていない箇所も対応されているので、SEO要素はかなり完璧でしょう。
また、他のテーマでは見たことがない「リッチスニペット表示」などにも対応してます。いや~、ここまでのテーマというのは正直すごいですね。
このテーマを使えば、デザインがよくて、検索で上位表示しやすくて集客ができるコーポレートサイトを簡単に作ることができますよ。
THE・THORを利用したコーポレートサイトの事例
THE・THORを使ったコーポレートサイトは、どれもデザインがきれいな印象です。
そんなにカスタマイズしなくても、このレベルのサイトが作れるのが、THE・THORのよいところです。SEOにも対応できており、上位表示できているのがよいですね。
きれいで訴求力の強いコーポレートサイトを作るなら「Emanon Business」
「Emanon Business」は、株式会社イノ・コードが制作したコーポレートサイト向けのWordpressテーマです。
Emanon Businessのデザイン
Emanon Businessの特徴は、コーポレートサイト用のレイアウトや機能が豊富に準備されていること。
トップページのファーストビューは6つのタイプから選べます。スライダーや動画、おすすめ記事など、訴求したい内容に合わせて好きに設定できるので、コーポレートサイトを訪れた人に強調したい情報をアピールことができます。
資料請求やメルマガ登録などのアクションを促すCTA設定や、SNSシェアボタンやランディングページ作成機能などなど、集客のための仕組みが整備されています。
Emanon BusinessのSEO対策
hタグの最適化、meta descriptionの重複回避、noindex, followの自動挿入、Microdataによるパンくずリストなど内部SEO対策も万全。
サイトへ集客した顧客の顧客情報を取得し、成約まで落とし込む仕組みが着実にできています。
ほとんどカスタマイズしなくてもコーポレートサイトらしいサイトができるのがよいですね。
Emanon Businessを利用したコーポレートサイトの事例
Emanon Businessには、コーポレートサイトにぴったりのレイアウトが初めから準備されているので、ベーシックなコーポレートサイトが作れます。
トップページのキャッチコピーや3つのポイント、下層ページへのリンクなど、いかにもコーポレートサイトという事例が多いです。
SEOに強くて高機能なコーポレートサイトなら「WING(AFFINGER5)」
「WING(AFFINGER5)」は、SEOに強いと話題だった無料Wordpressテーマ「Stinger」を改善したテーマです。
WING(AFFINGER5)のデザイン
とにかく設定できる機能が豊富で、背景に動画を入れる機能や会話風アイコン、テキスト装飾パーツなど、自分で作るのには手間がかかるような機能がたくさんついています。
フォントサイズも部分ごとにサイズを変更できますし、選べるデザインは48種類もあり、細かなカラーも感覚的に設定できます。
さらには、制作者がアフィリエイターだからこそ、訴求力の高いページを作るための設定が豊富に用意されています。訴求力の高いコーポレートサイトを作りたい時には特におすすめのテーマです。
ただ、デザインはスタイリッシュだったりコーポレートサイトっぽくはないので、デザイナーに依頼して修正してもらったほうがいいです。
デザイナーへ依頼できる方、予算がある方にはおすすめのテーマといえます。
WING(AFFINGER5)のSEO
「Stinger」の頃からSEOに強かったですが、WINGではほぼ完ぺきという程の設定がされています。
画像の遅延読み込みやAMPなど、ページの読み込み速度が最速化されていて、SEOにおいて重要な速度やユーザーの使い勝手を実現することができます。
また、ウィジェットの数が多く、好きな場所に好きなパーツを表示できますし、必要ない箇所ではパーツを利用しないということもでき、無駄をなくすことができます。
WING(AFFINGER5)を利用しているコーポレートサイトの事例
WING(AFFINGER5)を利用しているコーポレートサイトをネットで探してみました。
簡単にカスタマイズしているだけのものが多く、シンプルなデザインが多い傾向ですが参考にしてみてください。
コーポレートサイトにおすすめのWordpressテーマ:無料編
有料のWordpressテーマを買う予算がないという人には、いちおう無料のWordpressテーマも紹介しておきます。
無料テーマで注意しないといけないのは、無料だからこそ多くの人が利用しているので、よく見るサイトのデザインになりがちなこと。
だからこそ、無料のテーマを利用するときには、デザインをカスタマイズするのがおすすめです。デザイナーに頼んでデザインを変更してもらうようにしましょう。
シンプルかつ細かく設定できるテーマなら「Cocoon」
「Simplicity」という人気があった無料Wordpressテーマをアップデートしたのが「Cocoon」です。
シンプルなデザインながら、設定できる機能が盛りだくさんで、無料なのがびっくりです。
Cocoonの特徴
Cocoonは、とにかく管理画面で設定できる項目が多く、自由度の高いテーマです。
ボタンやアイコンなどのパーツごとに色を直感的に変更できますし、テンプレートデザインの種類もたくさんあり、好きなテイストを選ぶことができます。
内部SEO対策もできており、構造化データ・ページネーション・OGP・AMPなど、細かな部分まで設定することができます。
ページの表示速度も速く、コーポレートサイトで必要な機能は大体入っています。ただ機能が豊富ゆえに、自分の好きなようにCSSなどでカスタマイズする場合は大変ではあります。
Cocoonを利用したコーポレートサイト例
お堅いデザインのコーポレートサイトなら「BizVektor」
「BizVektor(ビズベクトル)」は、とても使いやすい無料のWordpressテーマです。
多くの無料Wordpressテーマのように個人が制作しているのではなく、株式会社ベクトルという企業が制作しています。
BizVektorの特徴
機能としては、背景色やキーカラーの変更・ヘッダーの変更・など、基本的なものがメインで、知識がなくても簡単に設定できます。
コーポレートサイトでよく利用する、トップページの3つのPRエリアやページ下部の「問い合わせボタン」なども設定できるのは便利ですが、機能が少ないのでレイアウトの自由度は少ないです。
構造化マークアップなどSEOにも対応していますし、複雑な機能を入れていないからこそ、表示スピードも速いです。
デメリットとしては、デザインが古臭いのでそのまま使うのは厳しい、ということでしょうか。デザインができる、HTML・CSSの知識がある人であれば利用するのもよいでしょう。
士業や工業系の堅いイメージが必要な企業に向いているテーマでしょう。
また、BizVectorの後継テーマとして「Lightning」もあります。こちらも機能が豊富かつ、デザインがきれいですのでおすすめです。
BizVektorを利用したコーポレートサイトの事例
カスタマイズする+ブログ設置なら「Xeory Extension」
「Xeory Extension」は、コンテンツマーケティングの専門メディアである「バズ部」が作った無料のWordpressテーマです。
バズ部が、自分たちがコンテンツマーケティングをする時に使いたいプラットフォームとして作ったものであり、まさにプロが使うWordpressテーマです。
Xeory Extensionの特徴
バズ部が作っているだけあって、SEO対応はかなり出来ています。
デザインはシンプルながらも現代的なので、デザインがよいものを使いたいという人に向いています。レスポンシブデザインなので、スマホサイトを別で作らなくてよいという点も、BizVektorよりも良い点でしょうか。
特徴・サービス紹介・会社紹介・お問い合わせなど、コーポレートサイトで必須の要素がトップページになるのも大きなメリットです。
特に、コンテンツマーケティングに必須のブログの設定はかなり細かいです。
コーポレートサイト内にブログを設置して、自然検索から集客を行うような場合にはおすすめのテーマです。記事の最後に入れるCTAエリアも、管理画面で簡単に設定できます。
質問ができるフォーラムもあるので、わからないことがあった場合にも安心です。
Xeory Extensionを利用したコーポレートサイトの事例
WordPressテーマを選ぶ時の注意点
コーポレートサイトをWordpressテーマを使って作る時には、注意すべきことがあります。
これを抑えておかないと、出来上がりのサイトが残念なことになってしまいますし、作った後に何の成果も得られないことになります。
テーマを使う前には、以下のポイントを抑えておきましょう。
商用利用可能か
特に無料のWordpressテーマを利用する時には、商用利用不可のものも多いです。ダウンロードする時には、事前に商用利用できるかどうか調べておきましょう。
商用利用可能かどうかは、テーマのダウンロードページに書いています。
有料のテーマでも、受託案件でクライアントのコーポレートサイト制作に利用する場合には、ライセンス費用が必要なテーマもあるので注意しましょう。
また、WordpressのテーマはすべてGPLというライセンスが採用されます。このライセンスは複製・改変・再配布・販売等は自由ですが、著作権の表示を消してはいけないことには注意してください。
日本語対応のテーマか
基本的に、利用するWordpressテーマは日本語対応のもの、国産のものがおすすめです。海外製のテーマにもいいものはたくさんありますが、どうしても不都合が出てきます。
デザインの面で、海外製のテーマはフォントの調節が難しいです。海外製のテーマは英語のフォントでデザインされているので、日本語に変更するとデザインがおかしくなるものが多いのです。
また、海外製のテーマだとテーマのカスタマイズの方法などが英語で解説されていますし、技術者たちによるノウハウの提供も英語で行われています。
コーポレートサイトを作る時にはカスタマイズが必要になりますが、英語だと調べるのが大変です。日本製のWordpressテーマであれば、すべて日本語ですし、質問もしやすいです。
解説サイトがあるか
WordPressのテーマを利用してコーポレートサイトを作る時には、ある程度カスタマイズしなくてはなりません。
カスタマイズしていると、どうしてもわからない所というのが出てくるものです。
WordPressのテーマによっては、カスタマイズのノウハウをまとめているような解説サイトやフォーラムを作っているテーマがあります。
こういったサイトでは、ユーザーが質問をして制作者が答えていたりするので、わからないことがあってもすぐに解決できます。解説サイトがあるテーマを選びましょう。
SEO対応ができているか
コーポレートサイトで集客しようと考えている場合には、検索結果で上位表示する必要があります。
そのためには、SEO(検索エンジン最適化)が出来ていなくてはなりません。SEOに最適化されたWordpressテーマであれば、コーポレートサイトを作った時に検索結果で上位に表示されやすくなります。
構造化マークアップ、AMP対応、ページネーションの設定、hタグ、パンくずリスト、軽量化などがちゃんと設定しているかなどを確認しましょう。
表示速度が速いか
WEBサイトにおいて、表示速度はとても大事です。Googleはモバイルでの表示速度をSEOでの評価のひとつにしていますし、表示が遅いとユーザーも読んではくれません。
WordPressのテーマでは、ページの表示速度が遅いものがあります。デザインがいいからといって使っていると、実は表示速度がとても遅いという可能性があります。
JavascriptやCSSファイルの読み込みが多かったり、余計なコードがたくさんあったり、画像の最適化ができていないようなテーマには特に注意です。
サイトを作ったら、GoogleのPageSpeed Insightsというツールで表示速度を計測するようにしましょう。
デザインに信頼性はあるか
コーポレートサイトでWordpressのテーマを利用する時には、企業の顔としてのデザインにふさわしいかをチェックしましょう。
あまりにもポップなデザインやごちゃごちゃしたデザインなど、企業を表すのに適していないテーマは利用してはなりません。
基本的にシンプルなデザインのテーマを選び、企業として信頼性のあるデザインになるようにし、デザインが必要な場合にはカスタマイズしましょう。
更新されているか
WordPressのテーマは、一般の制作者が作ったものも多いです。ですので、相当スキルのある人が作ったものでない限り、大体セキュリティホールや脆弱性があります。
そのような脆弱性は制作者に更新されることでなくなっていきます。ですので、更新がずっとされていないようなWordpressテーマは避けるようにしましょう。
新しい機能なども更新によってアップデートされていくので、頻繁に更新されているテーマはどんどん使いやすくなります。更新されているテーマを利用しましょう。
まとめ
コーポレートサイトをWordpressのテーマで作る時におすすめのテーマを紹介するとともに、テーマを選ぶ時の注意点を解説しました。
小規模な企業だったり、とりあえず企業のサイトを作っておきたい場合には、Wordpressのテーマを使って短時間で作るのがおすすめです。
WordPressのテーマというのは、機能やデザインに優れたものがたくさんあります。
ここで紹介したものを使えば、おかしなサイトになることはないですし、成果も出やすいと思います。ぜひ使ってみてくださいね!