WEBサイト制作では、WEBサイトを作った後で「WEBサイトを制作したけれど何か違う」とトラブルになる可能性があります。ですが、事前にしっかりとヒアリングを行っておけば、そのようなトラブルを防げるのでしっかりとヒアリングするのはとても大事です。
またヒアリングは、トラブルを防ぐだけでなく集客できるWEBサイトを作るのにも必須の要素です。ヒアリングによって、対象の会社の強みやアピールポイントを明確にできますし、WEBサイトで何をアピールすべきかが明確になります。
ヒアリングでこのようなポイントを明確にしなくては、ユーザーに魅力に思ってもらい、集客につながるようなWEBサイトを作ることはできないのです。
ここでは、集客できるWEBサイトを制作する際にヒアリングすべき項目をヒアリングシートという形でまとめました。企業のWEB担当者の方やWEB制作会社の方は、ぜひ参考にヒアリングしてみてください。またこのページの最後に、ヒアリングにおいて注意すべきことや心掛けなどのポイントも書いていますので、参考にしてくださいね!
WEBサイト制作時のヒアリングシート60項目
WEBサイトを制作する時のヒアリング内容は、企業の強みや競合を明らかにする「マーケティングに関するヒアリング項目」と、WEBサイトの仕様やデザインなどを決定する「制作物に関するヒアリング項目」、サーバーやドメイン、スケジュールや担当者とのやり取りなどの「外部関係のヒアリング項目」に分けられます。それぞれのヒアリング項目について解説をしていきます。
マーケティングに関するヒアリング項目
まず、WEBサイトを制作する対象の会社のことを詳しく知らなくては、集客できるWEBサイトを作ることはできません。
なぜなら、会社の理念やこだわり、利益構造や強み、ポジション、業界の動向、競合他社などを知らなくては、誰に向けてどのような打ち出しでWEBサイトを作ればいいかがわからないからです。集客できるWEBサイトというのは、誰に向けて自社のどのような強みをアピールか、というのがはっきりとしています。
まずは、対象の会社のWEBサイトでアピールすることを明らかにするためにも、下記のマーケティング的項目をヒアリングしましょう。
- WEBサイト制作で実現したいゴールは?
- ターゲットユーザーはどんな人?(年齢、職業、年収、生活パターン、家族構成など)
- その人はどんな要素を重視する?(料金、質、広さ、サービス内容、ブランドなど)
- ターゲットユーザーにどのような行動を期待するか?(電話、予約、問い合わせ、会員登録など)
- ターゲットユーザーがサイトを利用するシーンは?(仕事場、家、PC、スマホ、通勤途中など)
- 競合他社の有無とその会社名は?
- 自社の創業年は?
- 自社の企業理念は?
- 競合にない自社独自の強みは?
- 強みを持っている理由は?
- 逆に自社の弱みは?
- 自社商品の原価は?
- 自社商品の販売価格は?
- お客様が購入する決め手は?
- 自社の利益を作っている商品はなに?
- 広告で使っている自社の宣伝文句は?
- 社員、スタッフはどのような人がいる?
- 業界でのポジションは?
- 毎月の広告費は?
- 会社の将来のビジョンは?
制作物に関するヒアリング項目
次にWEBサイト制作に関してヒアリングしておいたほうがいい項目を紹介します。
機能やデザイン、サイト構成、運用についてなどのWEBサイトに関するヒアリング項目です。ここをしっかりヒアリングしておくことで、お客様が求めるWEBサイトを制作することができますし、イメージと違うということでクレームになることがありません。
- WEBサイト制作の予算は?
- WEBサイト制作の背景・目的は?
- リニューアルか新規制作か?
- WEBサイトのタイプは?(企業サイト、製品紹介サイト・ECサイト、採用サイトなど)
- WEBサイト制作後のKPIは?
- デザインのテイストに対しての要望は?
- カラーに対して要望はあるか?
- コーポレートカラーはあるか?
- 書体やフォントに対して要望があるか?
- デザインやカラーなど、社内で規定があるか
- ロゴデータは頂けるか
- ロゴデータの使用ルールはあるか?
- 写真やテキスト素材はいただけるか
- 社員や社長は顔を出せるか?
- デザインテイストは?(カジュアル、モダン、ポップ、クールなど)
- 会員登録や問い合わせフォームなどの機能は必要か?
- WEBサイトでユーザーに与えたい印象は?
- 逆に与えたくない印象は?
- 他社サイトでイメージに近いものはあるか?
- OS、ブラウザのバージョンはどこまで対応させるか?(IEは?iOSは?)
- スマホ対応は必要か?
- レスポンシブデザインが必要か?
- 外国語対応は必要か?
- ブログやニュース機能をつけるか?
- SNSとの連携は必要か?
外部関連のヒアリング項目
- コンペかどうか?
- NDAは自社で作るか?
- チェック体制とスケジュール感は?
- データのやり取りをするツールは?
- スケジュール確認をする方法は?
- サーバーはあるか?
- 借りるサーバーは決まっているか?
- ドメインは新しく取得するか?
- SSL対応が必要か?
- サイト公開後、どんな体制で運用するか
- Webサイト制作の最終決裁は、誰が行うのか?
- 公開予定日は?
- 解析ツールは何を使用するか?
- 支払いサイトは?
- 決裁者は誰か?許可を得ているか?
WEBサイト制作でのヒアリングテクニック
ヒアリング時には、聞く内容も大事ですが、クライアントから答えをうまく聞き出す工夫が必要です。
それには、ただヒアリングシートに書いた質問を聞いているだけでは、本当のところを聞き出すことはできません。クライアントから上手く聞き出すためのヒアリングテクニックも重要になるのです。ここでは、ヒアリングにおいて利用できるテクニックを紹介します。
アイスブレイク
クライアントとはじめて会う時にはクライアントも緊張しています。ですので、そのまま話を進めてしまうと緊張した空気で話すことになります。緊張したままだと、クライアントは本心や言いたいことをいいづらくなってしまうので、リラックスしてもらうよう心がけましょう。
そこで利用できるのが「アイスブレイク」です。これは誰しも知っていると思いますが、なかなか実践できていなかったりします。
アイスブレイクとは、いきなり商談に入るのではなく、初めてに雑談をして笑いと共感を作ることをいいます。お客様の会社の周辺で見たものや、自分の失敗や自分の名前で笑いを取るなど何でもいいので気楽に話せる雰囲気を作りましょう。
わかりやすい言葉を使う
多くのクライアントにとって、WEB業界で当然のように使っている横文字の用語というのは馴染みのないものです。特にWEB業界の用語は横文字や略語なども多いですし、知らない方が多いです。
「CPC」や「CV」「ベネフィット」などなど、色んな横文字やアルファベットがあります。しかし、このような用語をお客様にそのまま聞くのはマイナスでしかありません。
このような単語は、まず他業種の人はわかりませんし、わからない単語を聞くとクライアントは一気に距離を取ります。自分の理解できない用語を言われると、「?」となり困ってしまうのです。お客様は負い目を感じますし、恥をかきたくないと身構えてしまいます。
ですので、専門用語や横文字は使わずに必ず日本語に置き換えるようにしましょう。先程の例だと「クリックひとつの単価」「成約」「利益」などのように日本語にしなくてはなりません。
ヒアリングの際には、難しい用語はなるべく使わないようにしましょう。
「なぜ?」を問う
WEBサイト制作でのヒアリングでは、お客様の話を真に受けて、わかった気になることがあります。わかった気になって、お客様の意図が理解できていないと、後で電話をして聞かなくてはいけない、という羽目になってしまうのです。
それを防ぐには、ヒアリング時に自分が理解できるまで、深く聞いておかなくてはなりません。その時に使えるのが、「なぜ?」という質問です。
この「なぜ?」という質問を繰り返すことで、本当の答えを見つけ出すことができます。例えば、お客様から「シンプルなデザインにしたい」と言われたとします。その時に「承知しました」と、ただ聞き入れるだけでは、ヒアリングとはいえません。なぜシンプルにしたいのか、という理由の部分を聞かなくてはいけないのです。
お客様からの回答が「シンプルな方がユーザーのイメージに合っているから」だったら、「なぜユーザーはそのようなイメージを持つのか?」などのようにさらにヒアリングをすれば、「ユーザーはクリーンなイメージを求めているから」などのように深い情報を得られるのです。ヒアリングでは、なるべく詳しく「なぜ?」を問いましょう。
ただし、人は「なぜ?」を繰り返されると、自分の思考を深く掘り下げなくてはなりませんし、困ってしまうことが多いです。人によっては、何度も聞かれることを嫌う人もいます。そのような気配を感じたら、なぜを繰り返すのをやめて一旦引き下がりましょう。
まとめ
今回はWEBサイトを制作する際のヒアリング事項と、ヒアリングする時に顧客からうまく聞き出すテクニックを紹介しました。
ヒアリングがうまくいくか、ちゃんと深い所まで聞き出せるかによって、WEBサイトでの成否が決まると言っても過言ではありません。その会社の魅力や強みをしっかりと打ち出せたWEBサイトは、集客や成約を実現することができます。
ヒアリングの時には、しっかりと事前準備をして、怯まず固くならず、きちんと深い所まで聞くように心がけましょう。