「戦略BASiCS」とは?便利なマーケティングフレームワークを実例で解説

「戦略BASiCS」をご存知ですか?

戦略BASiCSは、佐藤義典さんが提唱しているマーティング理論です。色んなマーケティング理論の優れた所を、ひとつの理論としてまとめたものになります。

わかりやすい理論であり、仕事に簡単に取り入れられますので、マーケティング初心者にもおすすめです。

戦略BASiCSはとても使いやすいだけでなく、実践で成果を出せるマーケティング理論です。

私はこの理論を実務で使いはじめて10年ですが、そのおかげでマーケティングの仕事において多くの成果を出してきました。

この理論のおかげで作るサイトが成功したり、自分のキャリアもうまくいっていると思ってます。

マーケティングだけでなく、経営や営業を行う場合にも、自分のキャリアを考える時にも絶大な威力を発揮する戦略ですので、社会人なら全員読んでおくのをおすすめします。





戦略BASiCSとは?

「戦略BASiCS」は、あらゆるマーケティング理論をベースに、現場で使いやすい形にまとめたマーケティング戦略。

書籍『実戦マーケティング戦略』で詳しく解説されています。ここでは書籍の内容を元に、概要をざっくりと解説します。

まず、戦略BASiCSの「BASiCS」という言葉には、それぞれの文字に意味があります。戦略を立てる上で重要な要素の頭文字を取って一語にまとめたのが、「BASiCS」という単語なのです。それぞれの頭文字の意味は以下です。

  • Battlefield→戦場・競合
  • Asset→独自の資源
  • Strength→強み・差別化要素
  • i→意味はない、だから小文字
  • Customer→顧客・ターゲット
  • Selling Message→売り文句

各語の意味を解説していきます。

Battlefield(戦場)

市場
まず、戦略BASiCSのBは「Battelfield(戦場)」の意味です。

Battelfieldというのは、どの市場・マーケットで戦うか、ということ。

市場や競合をしっかりと計画しないと、マーケティングはまず成功しません

例えば、あなたがお店を出すとして、駅前に出すのか、駅から離れた住宅街に出すのかで、ライバルや客層も変わってきますよね。駅に近く人通りが多くても、自分のお店と同じようなお店が多い地域にお店を出してしまうと、お客様の取り合いになってしまいます。

かといって、駅から離れていて競合がいないという立地では、人通りが少ないし交通の便が悪く集客が難しいです。

このように、戦場を選ぶときには、「勝ちやすい戦場を選ぶ」ということが重要なのです。

競合が少なく、チャンスの多い戦場を探してみましょう。

Asset(独自資源)

資産 
戦略BASiCSのAは「Asset(独自資源)」こと。「Asset」というのは、「独自の資源・資産」という意味です。

独自の資産とは、自社内の他社と差別化できる独自の資源のことです。

例えば、「競合他社よりも優れた立地」「競合他社よりも優れた品揃え」「競合他社よりも優れた社員」「競合他社よりも優れた企業継続年数」などです。

なぜ競合他社と比べるかというと、

競合他社にはない、独自の資産でないと、競合他社より優位に立つことができない

から。

自社独自の資産があるからこそ、他社に勝てるのです。ない場合は勝てません。

あなたの会社に独自の資産がない場合には、早急に「他社にない、競争上の優位となりうる独自資産」を作りましょう。

Strength(強み・差別化)

戦略BASiCSのひとつめのSは、「Strength(強み)」です。「強み」とは、顧客にアピールできる自社ならではの強みです。「資産」と同じだと思うかもしれませんが異なります。

上の「独自資産」は、自社のなかにある資産であり、その資産があるからこそ、生まれてくるものが強みなのです。

例えば、自社の資産が「競合他社よりも良い立地」だと、強みは「通いやすい便利さ」になりますし、「競合他社よりも商品知識のある社員がいる」が資産であれば、強みは「しっかりとした説明が可能なサービスの質」になるイメージです。

他社に負けない資産から生まれる強みを作るのが重要です。

Customer(顧客)

ターゲット・顧客
「Customer(顧客)」とは、自社の商品を欲しがる人のことです。これは、よく「ターゲット」と言われるものです。

顧客を明確に絞らないと、誰に向けたサービスかがわかりません。すべての人に向けた商品を作っても、誰も魅力に感じない商品になってしまいます。

逆に、顧客像を明確にしておくと、お客様も「私のためにあるサービスだ」と反応してくれます

あなたも、「仕事でマーケティングを使うことになって基本から勉強したいと思っているあなた!」というコピーを見たら、自分のことだと思って見てしまうのではないでしょうか。

顧客の絞り方としては、市場のなかで強みを魅力的に思う人でなくてはなりません。

ペルソナという考え方で、顧客の人物像を明確にすることが重要です。居住地域・性別・年齢・職業・車を持っているか・洋服を月に3万円以上買うか、などのように属性やライフスタイルで絞っていくのが有効です。

Selling Message(売り文句)

ここまで考えた「戦場」「独自資源」「強み・差別化」「顧客」は頭のなかで考えただけだと無意味です。人に伝えなくてはなりません。

ターゲットに伝えることができなければ、お客様はあなたの商品を見つけることができませんよね。

そこで必要になるのが「売り文句」です。戦略BASiCSでは、最後のSにあたり「Selling Message」のこと。

売り文句では、これまで考えてきた強みが、顧客にしっかりと刺さるようなメッセージにまとめます。売り文句によって、お客様は「このサービスを買いたい」と思ってもらえるのです。

気づいてもらい購入してもらうためには、売り文句はシンプルかつわかりやすいメッセージにしましょう。そして、人に想像させるようなメッセージにしましょう。





戦略BASICSのポイント

ここまでみてきた戦略BASICSには、大きな注意点があります。

それは、Basicsの5つ要素が、すべて一本の線でつながってなければならない、ということです。

「戦場-独自資源-強み・差別化-顧客-売り文句」と、すべてが連動しなくてはならないのです。

例えば、戦場は顧客がいるものでなくてはならず、強みは独自の資源から生まれたものでなくてはならないし、強みはターゲット顧客が魅力的に思うものでなければならないし、売り文句は顧客に刺さる言葉でなければならないということです。

強みがあるけど、それが顧客にとって魅力でないものでは意味がないし、戦場は強みが活きるものでなくてはならないのです。

「戦略BASiCS」のどれか1つがこれを満たしていればいいというものではなく、それぞれの要素は連関していなくてはならないのです。

戦略BASiCSの使い方の例

ライザップのスタッフ
では、実際にどうやって戦略BASiCSを使うかを例で説明しましょう。ここでは、「ライザップ」の事例を使って考えてみます。

ライザップは、「魅力的な身体を短期間で作る」というサービスです。「BattleField(戦場・競合)」はパーソナルトレーナーやジムなどの業界であり、同業者が競合となります。エステやダイエット食品も、競合にあたるといえます。

「Asset(独自資源)」は、ライザップを運営する会社「健康コーポレーション」にあります。

健康コーポレーションは、健康食品の通信販売をしていたことから、ダイエットや健康に関するノウハウが蓄積されていました。そして、社長自身が10kgのダイエットに成功したということもあり、「トレーニング+食事管理」というノウハウを確実なものにしました。

こういった独自資産から生まれる「Strength(強み・差別化)」は、「確実に痩せられるノウハウ」です。

「Customer(顧客)」は、パーソナルトレーナーやジムをよく利用する一般の30代~40代の男性やF1層をターゲットにしています。これらのターゲットは、実際に店舗でデータを取ることで、修正していったようです。

ここまでをまとめた「Selling Message(売り文句)」は、「健康事業によって見つけたノウハウによって、なかなか痩せられない30代、40代の人でも確実に痩せられるプライベートジム」になります。

CMなどで使われている「結果にコミットする。」は、この売り文句をうまく表現していますね。「どういうこと?」と目を引きますし、成果が出た人の姿を使うことで、本当に効果が得られるということを証明しています。

このようにライザップのマーケティングは、戦略BASiCSにも沿った戦略になっているのですね。ヒットの要因はこれにもあると言えるでしょう。





戦略BASiCSはキャリアにも使える

キャリア
また、戦略BASiCSはあなたがキャリアを考える時にも使えます。

キャリアを考えるときには戦略BASiCSを使い、自分を商品と考え、自分が売れる商品なのかを考えてみるのです。

自分という商品がこの理論に沿っているかを確かめると、自分という人材を売ることができるかがわかります。

例えば私の場合ですと、「戦場」は「中小企業向けのWEB集客市場・集客コンサルタント・業者」で、「資産」は「専門学校やWEB制作会社で技術を学んだ知識、SEO・マーケティングの経験と知識があること、お客様の成功実績」です。

そして「強み」は「中小企業の方にWEB集客で大きな収益を与えられること」であり、「顧客」は「WEB集客で困っている中小企業」になります。

「売り文句」としては、「経験豊富なWEBコンサルが、インターネットを使った最適な方法を作って、お困りの中小企業様のために集客します」というところでしょうか。

このように、自分のキャリアを考えるときに戦略BASiCSを利用することで、自分が身に付けるべき知識やスキルがはっきりと見えてきます。戦略BASiCSの要素が自分のキャリアにおいても、一本つながっているようにすると、必要とされる人材になるでしょう。

ぜひ自分のキャリアを考える時に、戦略BASiCSを使ってマーケティング視点で考えてみてください。

今回ご紹介した「戦略BASiCS」が詳しく解説されている本『実戦マーケティング戦略』は以下です。一度は読んでおいた方がよいですよ!

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