WEBサイト制作のヒアリングシート64項目と質問テクニックまとめ

WEBサイト制作を行う時のヒアリングには、ヒアリングシートを用意して臨むと思います。

ここでは、現役のWEBディレクターとして働く私が、ふだんWEBサイト制作の業務で使用しているヒアリングシートの項目をまとめてみたいと思います。

基本的に、このシートの項目をヒアリングしておけば問題ないかと思います。

WEBサイト制作のヒアリングシート64項目

ヒアリングシート
ここでは、集客できるWEBサイトを制作する際にヒアリングすべき項目を、ヒアリングシートという形でまとめました。

企業のWEB担当者の方やWEB制作会社の方は、これをテンプレートにぜひヒアリングしてみてください。

またこのページの最後に、ヒアリングにおいて注意すべきことやテクニックも書いていますので、参考にしてくださいね!

WEBサイトを制作する時のヒアリング内容は、クライアントの強みや競合を明らかにする「マーケティングに関するヒアリング項目」と、WEBサイトの仕様やデザインなどを決定する「制作物に関するヒアリング項目」、サーバーやドメイン、スケジュールや担当者とのやり取りなどの「外部関係のヒアリング項目」に分けられます。

  • マーケティングに関するヒアリング項目
  • 制作物に関するヒアリング項目
  • 外部関係のヒアリング項目

それぞれの項目について解説をしていきます。

マーケティングに関するヒアリング項目

マーケティングのヒアリング
WEBサイト制作をする対象のクライアントのことを詳しく知らなくては、集客できるWEBサイトを作ることはできません。

なぜなら、集客できるWEBサイトというのは、誰に向けて、クライアントのどのような強みをアピールするか、というのがはっきりとしており、ヒアリングによってこれが明らかになるからです。

ヒアリングでは、クライアントの理念やこだわり、利益構造や強み、ポジション、業界の動向、競合他社などを整理することができます。

そしてこれらを聞くことで、誰に向けて、どのような打ち出しでWEBサイトを作ればいいかが明確になるのです。

まずは、クライアントのWEBサイトで訴求することを明らかにするためにも、下記のマーケティング項目を聞きましょう。

  1. WEBサイト制作で実現したいゴールは?
  2. WEBサイト制作後のKPIは?
  3. ターゲットユーザーはどんな人?(年齢、職業、年収、生活パターン、家族構成など)
  4. そのユーザーはどんな要素を重視する?(料金、質、広さ、サービス内容、ブランドなど)
  5. その商品は、ユーザーのどんな悩みを解決する?なぜ今必要?
  6. ターゲットユーザーにどのような行動を期待するか?(電話、予約、問い合わせ、会員登録など)
  7. ターゲットユーザーがサイトを利用するシーンは?(仕事場、家、PC、スマホ、通勤途中など)
  8. 競合他社の有無とその会社名は?
  9. クライアントの創業年は?
  10. クライアントの企業理念は?
  11. 商品・サービスのベネフィットは?
  12. どのベネフィットが最も重要か?
  13. 競合にないクライアント独自の強みは?
  14. 強みを持っている理由は?何によって生み出されている?
  15. 逆にクライアントの弱みは?
  16. クライアント商品の原価は?
  17. クライアント商品の販売価格は?
  18. お客様が購入する決め手は?
  19. 耐用年数は?
  20. 製品に保証期間はあるか?
  21. 広告で使っている宣伝文句は?
  22. 社員、スタッフはどのような人がいる?
  23. 業界でのポジションは?
  24. 毎月の広告費は?
  25. 会社の将来のビジョンは?
  26. 現在のWEBサイトのデータはあるか?




制作物に関するヒアリング項目

WEBサイト制作のヒアリング項目
次にWEBサイト制作に関して、ヒアリングしておいたほうがいい項目を紹介します。

機能やデザイン、サイト構成、運用についてなどのWEBサイトに関するヒアリング項目です。

ここをしっかりヒアリングしておくことで、お客様が求めるWEBサイトを制作することができますし、イメージと違うということでクレームになることを防ぐことができます。

  1. WEBサイト制作の予算は?
  2. WEBサイト制作の背景・目的は?
  3. リニューアルか新規制作か?
  4. 現在のWEBサイトで不便なところは?
  5. 現在のWEBサイトのデザインへの感想は?
  6. WEBサイトで残したい要素はあるか?
  7. WEBサイトのタイプは?(企業サイト、製品紹介サイト・ECサイト、採用サイトなど)
  8. WEBサイトでユーザーに与えたい印象は?
  9. 逆に与えたくない印象は?
  10. コーポレートカラーはあるか?
  11. 書体やフォントに対して要望があるか?
  12. ロゴデータは頂けるか
  13. デザインやカラー、ロゴデータなどへの社内規定があるか
  14. デザインテイストに対しての要望は?(カジュアル、モダン、ポップ、クールなど)
  15. 他社サイトのデザインでイメージに近いものはあるか?
  16. 写真やテキスト素材はいただけるか
  17. 社員や社長は顔を出せるか?
  18. 会員登録や問い合わせフォームなどの機能は必要か?
  19. OS、ブラウザのバージョンはどこまで対応させるか?(IEは?iOSは?)
  20. レスポンシブデザインが必要か?
  21. 外国語対応は必要か?
  22. ブログやニュース機能をつけるか?
  23. SNSとの連携は必要か?

外部関連のヒアリング項目

外部

  1. 業者の選定はコンペかどうか?
  2. NDAはクライアントで作るか?
  3. チェック体制とスケジュール感は?
  4. データのやり取りをするツールは?
  5. スケジュール確認をする方法は?
  6. サーバーはあるか?
  7. 借りるサーバーは決まっているか?
  8. ドメインは新しく取得するか?
  9. SSL対応が必要か?
  10. 公開予定日は?
  11. WEBサイト公開後、どんな体制で運用するか
  12. 解析ツールは何を使用するか?
  13. 支払いサイトは?
  14. Webサイト制作の最終決裁は、誰が行うのか?決裁のポイントは?
  15. 決裁者と会うことは可能なのか?



WEBサイト制作でのヒアリングのメリット

WEBサイト制作におけるヒアリングのメリットを解説しておきます。

ヒアリングでトラブルを防げる

トラブル
WEBサイト制作においては、WEBサイトを作った後でクライアントから「WEBサイトを制作したけれど何か違う」とクレームが発生し、トラブルになることがあります。

このようなトラブルが一度起こってしまうと、交渉に無駄に時間がかかってしまい、赤字になってしまいます。

このクレームの原因は先方との認識のずれであったり、確認不足であることがほとんどです。事前にしっかりとヒアリングを行っておけば、このようなトラブルを防げるのです。

WEBサイト制作においては、しっかりとヒアリングするということが、トラブルを防ぐ上でもとても大事なのです。

成果を出せるサイトを作れる

またヒアリングは、トラブルを防ぐだけでなく成果を出せるWEBサイトを作るのにも必須の要素です。

ヒアリングによって、クライアントの強みや訴求ポイントを明確にできますし、WEBサイトで何をアピールすべきかが明確になるからです。

WEBサイトでは、強みを押し出すことでユーザーに購入してもらえるようになります。

逆に、ヒアリングで訴求ポイントを明確にできなくては、成果を出すWEBサイトを作ることはできません

WEBサイト制作のヒアリング時のテクニック

ヒアリング時には、聞く中身であるヒアリングシートも大事ですが、クライアントから答えをうまく聞き出す工夫が必要です。

ただただ、ヒアリングシートに書いた質問をしているだけでは、クライアントから本当のところは聞き出すことはできません。

クライアントから上手く聞き出すためのヒアリングテクニックも重要。WEBサイト制作のヒアリングのテクニックを紹介します。

アイスブレイク

WEBサイト制作のヒアリングでは、まだ関係ができていない状態でヒアリングを行うことになります。

はじめて会う時にはクライアントも少しは緊張しています。緊張したままだと、クライアントは本心や言いたいことをいいづらくなってしまうので、ヒアリングの時にはリラックスしてもらうよう心がけましょう。

そこで利用できるのが「アイスブレイク」。アイスブレイクとは、いきなり商談に入るのではなく、初めに少しお話をして笑いや共感を作ることです。

先方と共有できる事柄を話す、自分の弱みを話して自己開示するなど、できるだけ気楽に話せる雰囲気を作りましょう

わかりやすい言葉を使う

理解できない人
多くのクライアントにとって、WEBサイト制作業界で当然のように使っている横文字の用語というのは、ふだん馴染みのないものです。

「SEO」や「CV」「CTR」「ベネフィット」など、色んな横文字やアルファベットがありますが、そのまま聞くのはマイナスでしかありません。

このような単語は、他業種の人はわからないですし、自分の理解できない用語を言われると、お客様は負い目を感じますし、質問の意味がわかりません。

ヒアリング時には専門用語や横文字は使わずに、必ず日本語に置き換えるようにしましょう。

先程の例だと「検索エンジン最適化」「成約」「クリック率」「利益」などのように、日本語にしなくてはなりません。

質問は深堀りする

WEBサイト制作におけるヒアリングでは、表面的な理解でお客様の事業のことや強みがわかった気になることがあります。

しかし、わかった気になっても本当にはお客様を理解できていない可能性があります。これを防ぐには、ヒアリング時に自分が理解できるまで、深く聞くのが大事。

「なぜ」を聞く

その時に効果的に使えるのが、「なぜ?」という質問です。

「なぜ?」という質問を繰り返すことで、本当の答えを見つけ出すことができます。

例えば、お客様から「WEBサイトのデザインはシンプルにしたい」と言われたとします。その時に「承知しました」と、ただ聞き入れるだけでは、ヒアリングとはいえません。「なぜシンプルにしたいのか」、という理由の部分を聞かなくてはいけないのです。

お客様からの回答が、「シンプルな方がユーザー層にマッチするから」だったとしたら、「なぜユーザーにはそのようなデザインがマッチするのでしょう?」などのように、さらに聞きます。





質問のメリット

それによって、「ユーザーはクリーンなイメージの企業を求めているはずだから」などのように、初めにはわからなかった、表面には出ていない深い情報を得られるのです。

また、その質問からクライアントさえも気づいていないユーザーニーズが見つかる可能性もありますし、別の解決策を提示することもできます。

ヒアリングでは、なるべく「なぜ?」を問いましょう。

このような思考を身につける方法や、どうやって相手から回答を引き出すかは、以下の本がとても参考になります。これらの本は、ずっと使えるノウハウが書いている良書ですので、ぜひ読んでみてください!

まとめ

今回は、WEBサイト制作時にヒアリングシートとして使える項目と、ヒアリングのメリット、ヒアリングする時に顧客からうまく情報を聞き出すテクニックを紹介しました。

クライアントの魅力や強みをしっかりと打ち出せたWEBサイトは、集客や成約を実現することができます。

詳しい情報まで聞き出せるか、ヒアリングを成功させられるかによって、WEBサイト制作の成否が決まると言っても過言ではありません

WEBサイト制作のヒアリング時には、しっかりとヒアリングシートを作って、怯まず固くならず、きちんと深い所まで聞くように心がけましょう。

私はヒアリングの代行やサイト設計代行、WEBサイトのディレクションを行っています。もしそういった人材をスポットで利用したいという場合には、お気軽にお声がけください。

サイト制作のヒアリング項目
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